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第二話 自称偉大な魔法使い

「ば、化物......」


「その言い方は傷つくな。僕はこれでも女性なんだぜ」


「目玉だけなのを女性とは言わん!」  


 オレは即座に否定した。


「この姿をみてそれだけ話せれば充分だね」


 目玉は少し感心したように言った。


「......で、もう帰っていいすか!バイト中なんで!」


 オレはそそくさとその場を離れようとした。


「まちたまえ......君に話があるんだ」


「他の人にしてもらっていいすか。オレ裸の女性とお金にしか興味ないんで」


「僕は裸で女性だぞ」


 目玉がくるりと回った。

 

「......じゃあオツカレース」


「まて!すまないわかった!バイトの話だ」


「バイト?目薬でも買ってこいって言うんですか」


「いいや、僕の身体を集めてほしいのさ」 


「身体?」


「見てわかるように僕は眼球になっている。

 もとあった身体をバラバラにされ奪われたからだ。

 もしもの時のために、片方の眼球だけ隠していたから助かったがな」


「そもそも人なんですか?」


「ああ、僕は人間さ。もちろんただの人間じゃない。魔法使いさ。

 しかも偉大な魔法使いだ」


「魔法使い......ということはそれは魔法」


 信じがたいが、目玉が会話してる時点でおかしなことだから、

 信じるしかない。


「ああ、魔法とは真理の鍵、身体にはその魔法の情報が宿っている。

 それ欲しさに、僕の身体は切り刻まれ奪われたんだろう。

 君にはそれを取り戻してほしい」 


「オレはただのバイトっすよ。知り合いの魔法使いに頼めばいいでしょうが」


「君には魔法を使える魔力がある。この家に近づくには魔力が必要だからね。

 それに他の魔法使いはだめだ。

 魔法使いというのは倫理観欠如の異常者ばかりなんだ。

 身体を返すどころか奪い取ろうと企むだろうからね」


「......それって、絶対にヤバい話だからパスっす] 


 足早に部屋から出ていこうとした。


「僕、本当の姿はナイスバディだったんだけどなーー」


 無意識に足が止まる。


「......ちなみに、ちなみに、なにカップ......」


「とてもえちぃなHカップ」


 振りかえると目玉がウインクしながらそういった。


「と、とても、え、えちぃな、え、えいちかっぷ」


 オレはそこにあった長めのソファーにゆっくりと座る。


「......そこに座り、話を続けて」


 そういって目玉にスッと手を差し伸べる。


「いや座りようがないんだけどね......まあ、いい。

 それでさっき言ったように、君に僕の身体を全て集めてほしいんだ」


「でも偉大なんでしょ。あっさり殺されてんじゃないすか。

 ということは奪ったやつは、すごいヤバいんじゃないんすか」


「ふむ、確かにその辺は解せないんだ。

 僕を殺せるものなんているとは思っていなかったからね」


 まぶたみたいに目玉が閉じた。


(まぶたないのに、どうなってんだ?)


「......犯人が誰かもわからないんですか?」


「わからないな。僕のことを殺したい奴らはくさるほどいるからね」


「さっきいってた、その身体にある魔法の情報のためとかですか」


「まあ、それもあるが......僕は数えきれないほどの魔法使いを、

 あの世に送ってきたからね」


 そういって目玉はウインクした。


「からね。じゃないっすよ!自業自得じゃないすか!」


「いや、さっきもいったろ。

 魔法使いってのは倫理観バグってるやつばかりなんだ。

 魔法を使って悪魔を呼び出したり、戦争を起こさせたり、

 罪のない人を生け贄にしたりね。

 だからそいつらを手当たり次第、おちゃめに地獄に送っただけさ」


(おちゃめに......確かに倫理観バグってるな。そういってる本人も)


「やっぱやめようかな。そんなヤバい奴らに巻き込まれたら死んじゃうし」


「うむ、死ぬリスクはかなりある」


「かなりあるって認めんのかよ!じゃあやめる!

 ......ああ、でもえいちかっぷぅ」


「そこで迷うんだ......まあ、当然バイトだから、お金はだすよ。

 そこの金庫に十億ほどあるそれが前金だ」


「な、なに十億!?」


 俺が金庫を開けると確かに札束の山がある。


「そして、ひとつ集めるごとに一億払おう」


「だ、だけど、お金があっても死んだら意味ないし...... 

 でも、えいちかっぷぅ......」


「......君、すごいな......」

 

 それはあきれたような、感嘆するかのような声に聞こえた。


「それに、僕の力を与えるよ。魔法使いとも戦える魔法の力だ。

 これで生存率はかなり上がるはずさ」


「それなら......わかった!やりましょう!おちちのために!」


「う、うん、ありがとう......」 


 そう目玉ーーヒミコさんは、びみょーに困惑したようにいった。 


 

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