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演習場の中には、敵に見立てられたダミー人形が何体も立っていた。
実力の測定方法としては、あのダミーに魔法を当てるとデータが取れるようになっているらしい。
前の人から順番に魔法を打つことになった。まずは先頭にいた女の子からだ。
「レティシアです! 使える魔法は草魔法と光魔法です! お願いします!」
上位属性と特殊属性の2種類を使えるのは珍しい。周りにいた他の生徒も驚いていた。
「草魔法【草刃】!」
葉っぱで作られた鋭い刃がダミーを切り刻んだ。
シリウス先生はタブレットのようなものを持っており、そこに数値が出るらしい。
「魔法スコア、5360」
魔法スコアは新入生では5000が普通とのことなので、レティシアという女の子は平均的な強さということだ。
光魔法についても問題なく使用し、威力は草魔法と同じくらいだった。
それからクラスメイト達が順番に魔法の測定を行なっていった。結果としてはこうだ。
ハリス
火魔法 11350
風魔法 9540
水魔法 9600
ボードン
土魔法 8590
ロット
草魔法 8200
コロ
風魔法 4520
ムーゴ
火魔法 5290
ハリスはやっぱり強かった。新入生で魔法スコア10000越えは宮廷魔導士以来の強さらしい。三属性使えることも考慮すると、当時の宮廷魔導士以上といえる。
「最後、ゼノア!」
シリウス先生に呼ばれ、ダミーの前まできたところで魔法は使えないと伝えた。
「なに?」
「だから、魔法は全く使えないんです」
「ではたまたま入学試験に合格できたということか?」
「そうです。ハリスに助けてもらいました」
「そうか・・・」
この学校では、運も実力のうちと考える風潮があるため俺みたいなやつでも合格をもらえるのだ。ありがたい。
シリウス先生が戻っていいと促したところで、ボードンが口を出してきた。
「おいおい。魔法を使えないのに受験してたのか? そんな奴、ここに来るなよ。退学しろ」
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