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ハリスの後ろに視線を向けると、金色に光る立方体が落ちていた。
「ハリス! あれ見て!」
「あれは、もしかして宝か!」
その立方体はポケットに入るくらい大きさで、重さはそこまでなかった。
「それはゼノアの分だ」
「いいのか?」
「俺は自力で探すさ」
再び生い茂った木々の中に入り、宝を探しに向かった。
ボードン視点
俺の名はボードン。
3人のダチと一緒に入学試験を受けている。
「宝が全然みつからないですね」
ダチの一人、ロットが話しかけてきた。
こいつは昔からの仲で、幼馴染だ。俺なんかより全然頭がいい。
「そうだな。違うやつから奪った方が良さそうだな」
今、宝は三つ持っている。しかし、後一つがどうしても見つからない。
「もし時間になったらあっしの分は要らないっす!」
「そうは行かないでごわす。必ず宝を見つけるでごわす」
コロとムーゴだ。コロの体格はかなり小さく、ガキみたい。それと対照的に、ムーゴは馬鹿でかい。
「そうですよ、コロ。4人で合格するんですから」
俺ら4人はずっと連んでいる。最近は家にも帰らず、寝食も一緒だ。
この関係を続けるためにも、全員で合格する。
「あっちの方に人影があったでごわす」
「よし、急いで向かうぞ」
ゼノア視点
俺達は無事、宝を二つ見つけることができていた。もちろん、ハリスのおかげで。
「これであとは宝を死守するだけだな。本当にハリスには助けられてばっかだな」
「ゼノアに力を使わせないためだよ」
「照れるなって」
「照れてない」
冗談をいいつつも、周囲の警戒は怠らない。せっかくハリスが見つけてくれた宝を、よそ者に手渡すなんてことはしたく無いからだ。
「土魔法【土穴】!」
どこからか魔法を使われて、ハリスが穴の下に落ちてしまった。
「ハリス! 大丈夫か!」
「問題ない! 風魔法【飛翔】」
「草魔法【葉刃】!」
「火魔法【火玉】でごわす」
「風魔法【送風】っす!」
土魔法を使ったやつ以外にも仲間がいたらしく、ハリスが穴の外に出られなくなってしまった。
「誰だ!」
木の裏から4人組の男達が現れた。
「俺はボードン。お前の宝を寄越せ。大人しく渡せば痛い目には合わせない」
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