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ハリスといろいろ話し込んでいたら、食堂が閉まる時間になってしまった。
「ゼノアとの話は面白かったよ」
「俺もだ」
「明日の試験、頑張ろうね」
「もちろんだ!」
おやすみの挨拶をして、それぞれの部屋へと戻って行った。
シャワーを浴びた後、用意されていた部屋着に着替えて布団に入った。
(まだ信じられないな・・・)
死んだこと、転移したこと、魔法が使えること、どれをとっても考えられない。
今日起こったことを振り返っていたが、疲れが溜まっておりすぐ眠りについた。
いよいよ入学試験当日。ハリスとともに、学校へと向かった。
受付で手続きを済ませた後、受験生控室という部屋に案内され待機することになった。
入学を目指している学校の名前は、バルゴート魔法学校。普通科、魔法科、魔道具科があり普通科が最も人数が多い。
俺が出願しているのは魔法科で、定員30人となっている。300人が出願しているので倍率は10倍という狭き門だ。
(圧倒的に不器用な俺が、本当に受かるのだろうか・・・)
「はあ・・・」
「ため息なんかついて。ゼノアは緊張してるのか?」
「そりゃあするだろ。落ちたらどうしようって」
「でも、全魔法が使えるんだろ?」
ハリスは馬鹿にしたようにニヤついて言ってきた。その顔すらイケメンに見えるから妬ましい。
しばらくハリスと話していると、試験官のアナウンスが聞こえてきた。
「受験生の皆さん、おはようございます。只今よりバルゴート魔法学校、魔法科の入学試験を行います」
すると、控室に入ってきた入口とは反対側の扉が開き、先は木々が生い茂った森へと続いていた。
「今回の入学試験は、宝探しです。森に隠された宝を見つけて、最後まで持っていた人が合格となります。宝は全部で20個となっております」
「これって奪ってもいいってことだよな?」
「そうだと思うよ。僕の分とゼノアの分、合わせて二つ手に入れようか」
「手伝ってくれるのか! ありがとう!!」
ゼノアはハリスの手を握って感謝を伝えた。
「それでは、制限時間は30分。入学試験・・・開始!」
開始の合図と同時に、受験者が一斉に森へ向かって走り出した。
ゼノア達も遅れないように、走って宝を探しに出た。
街の外にある森よりも木が生い茂っているため、視界や足場がとても悪かった。
「木が多くて走りづらいな」
「確かにね。無駄に体力が奪われるな」
「うーん」
(草魔法使えば余裕な気がするんだけど、ハリスが危ないかもな・・・)
考え事をしていたらハリスに話しかけられてしまった。
「何かいい方法でもあるのかい?」
「・・・あるんだけど、ハリスが危険かも」
「どういうこと?」
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