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夜ご飯を食べた後、俺の部屋にハリスが来ていた。
「お茶でも入れるよ」
部屋にもともと置いてあった茶葉を使って、ハリスにお茶を入れた。
「どうぞ」
「ありがとう」
二人でソファに座ってゆっくりしている。
「それにしてもいい部屋だよな」
「こんなもんじゃないか?」
部屋は1LDKで広く、ベッドはふかふかで寝心地がいい。こんなにもいい部屋をハリスはこんなもんとか言ってる。
この世界ではこんなにも生活水準がいいのか?
「こんなもんなのか・・・。そうだ、一つ質問してもいいか?」
「いいよ」
「魔法を全く使えない人っているの?」
「いるだろうが、会ったことはない」
「それくらい少ないってことか」
「それもあるが、普通は公表しないんだよ。魔法を使えないってだけで、差別の対象になったりするからな」
ってことは魔法が使えないのに魔法学校に入った俺ってかなり目立つのでは?
不器用な魔法使いで悪目立ちしないように隠しているのに。
まあ、国に目をつけられるわけじゃないから使えないって言った方がいいのか。
「ボードンがいろいろ言ってきたのは、その風潮もあるのかもな」
「無くはないだろうね。ロットは仲良くしようって言ってたけど、ボードンの集団とは少し距離を置いた方がいいかもしれない」
「確かに。変に問題になっても困るし」
次の日の朝礼。シリウス先生から来月のイベントについて話があった。
「来月、魔法学校新入生対抗イベントの歓迎祭がある。そこに出る代表者を決めるぞ」
魔法学校にはいくつかのイベントがある。その一つが歓迎祭だ。
歓迎祭は代表者5名によるチーム戦が行われるため、その代表を決めなくてはいけないのだ。
まあ、俺が選ばれることはまず無いな。
「代表者を決めるため、来週に野外実習を行う。2人でチームを組み、その動きや強さを見て選抜をするぞ」
野外実習では、近場にあるダンジョンに潜り、指定されたものを獲ってくる。
2人チームは既に決まっているらしく、すぐに発表されることになった。
どうか、ハリスと同じになりますように・・・。
と、願いも虚しく最悪な結果となった。
「・・・ちっ。なんでお前と同じなんだよ」
「・・・それには俺も同意だ」
なんとボードンと同じになってしまったのだ。もはや運命かもしれない。
先生曰く、2人の中を良くするためだそう。全く、ありがた迷惑だ。
ハリスやロットからは心配そうな目で見られていた。
「それじゃ来週までに2人の戦術や動きを決めておくように」
ちょうど朝礼のチャイムが鳴り、一時間目の準備に取り掛かる。
「ゼノア、仲良くやれよ」
「・・・頑張ってみる」
「ボードン、あんまり突っ掛からないようにしてくださいよ」
「・・・あいつ次第だ」
それから一週間、クラスメイトたちは魔法や地理、数学などの授業を受けつつ、連携の確認などを行なっていた。
しかし、俺とボードンはなるべく接さないようにしていたため一度も話すことなく野外実習当日を迎えた。
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