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断罪された勇者は舞い戻る。聖女はどこにいった!?  作者: 屋月 トム伽


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ネクロマンサーらしい

「ティナに手を出すなと言ったはずだぞ!」


ティナの腕を引き寄せ背中に隠し、ヴィルヘルムの前に立ちふさがるようにした。


「ティナが血をくれると言ったんです。対価ですよ」


相変わらずヴィルヘルムは飄々としていた。


「シグルド、心配しましたよ……帰って来ないかと……」

「ヴィルヘルムに血をやるつもりだったのか?」

「血をあげたらシグルドの様子を見に行ってくれると言いましたから」

「そんなことで血をあげようとするんじゃない!」


全く何を考えているんだ!?

ティナから目が離せない!

何をするか全くわからない!


「変態さんのせいで怒られちゃったじゃないですか」

「だから変態ではないと、魔族なら当然の欲求です。俺は吸血鬼なんですから」

「あっ、やっぱりですか」


今しがた血を吸われようとしていたのに、何故そこで和めるんだ!?


「シグルド」

「何だ!」


思わず力いっぱい返事をしてしまう。


「ランティスの村はどうなりましたか?」

「全て焼いた。死体も残ってない」

「そうですか……シグルドは大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」

「全て焼いたんですか? 勿体ない。死体が沢山ありましたのに」

「は?」


何が勿体ないのかと、疑問が出る。


「不死王様はネクロマンサーですよ? 死体があれば操れたのに……」

「本当か?」


ヴィルヘルムは、知らないんですか? と言わんばかりにサラリと言い出した。

会ったこともない父親どころか、誰が父親か知ったばかりで父親の能力なんか知るわけがない。


「シグルド様に力を譲渡していますから、シグルド様にもネクロマンサーの力があるはずです」


ネクロマンサーの力と聞いて復讐に使えるかと、考えてしまう。


しかし、腹が減った。

一晩中起きていたせいで眠い。


「とにかく腹が減った。何かあるか?」

「では、先に食事を出しましょう」

「シグルド、クッキーも残っていますから後で食べましょうね」

「胸に入れていたやつか?」

「はい、少し崩れちゃいましたけど」


思わず、ティナの胸に目をやってしまう。

どこまで菓子が好きなのだろうか……。


「どうしたんですか? そんなにお腹が空いていますか? ヴィルヘルムさんの邸の食事はまあまあでしたよ」


そして、ティナと豪勢な朝御飯を、出されるがままに食べる。

向かいには、美味しそうに紅茶を飲んでいるティナがいる。

その様子を見ると一息ついたと思った。


食事を済ますと、眠気が襲ってくる。

エンディスの城に、この村の往復で正直疲れた。


「もう寝よう……」


一言そう言い、ヴィルヘルムの準備した部屋のベッドに座り込むとティナがクッキーとお茶を持って来た。


「一晩中忙しかったんですか?」

「エンディスの城にエンディス兵の首を持って行った。夜だったが、ランティス村の報告を待っていたみたいで、ショーンが起きていて良かったな」


ティナはその手で首を持って行ったんですか!?、と言わんばかりにじっと俺の手を見た。


「手は洗ったからな。紙袋に入れて持って行ったし、ショーンに俺の姿は見せなかったけど、ショーンの部屋に投げ込んだら腰を抜かしていたぞ」


ショーンが腰を抜かして変な声を出しているのは中々面白かった。

意外と笑えた。


「……持って帰って来なくて良かったです」


そう言いながら、ティナが出してくれたクッキー詰め放題の戦利品のクッキーを一枚かじると湿気っている。

ティナの胸に突っ込んでいたからか、割れているし。


「ちょっと湿気っちゃいましたね。冷凍食品のパイシートとかがあれば出来立てのアップルパイでも出せるんですけど」

「一晩立てばこんなもんだろう。大体冷凍食品とは何だ? 昨日も言ってなかったか?」

「この世界は冷凍食品がありませんからね。あれば便利ですよ」


ティナが説明するには冷凍食品とは食べ物を凍らせ、いざ食べる時に解凍して食べるらしい。

味もよく便利だと。

凍らせた食品が何ヵ月も持つなんて不思議だが、ティナは色んなオカズがあったと言った。


「冷凍食品か……」


便利なものだなと……、眠い頭でふと考えていた。


「シグルド眠そうですね。魔族も三大欲求には勝てませんか?」


ティナはまた変なことを言い出した。


「何だ、三大欲求とは?」

「睡眠欲と食欲と性欲らしいですよ」


ティナは食欲が突き抜けているんじゃないのか?


「ティナ……明日はお前の家に行くぞ。レティシアの手掛かりがあるかもしれん」

「無理しないで下さいね」

「寝れば身体の疲れはなくなる。この不死身の身体は便利なんだ……」


そう言いながら、レティシアの姿をした心配そうなティナの顔を瞼の端に見ながら眠りについた。



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