君思う夏
君と出会ったのは僕が中学3年の春
君のお姉さんが中学に入学して
5月の連休最終日に僕にラブレターをくれた日
その後ろでまるで意味もわからない顔をして
一緒についてきていた君の笑顔を
今でも覚えている
お姉さんとつきあうとか
そういうことではなかったけど
それでも僕が中学を卒業するまでの約1年間
日曜日に自転車で出かけられる範囲で遊びに行くときには
いつも一緒だった君
お姉さんは僕のことを先輩って呼んだけど
君はいつもお兄ちゃんって呼んでたね
あの日も・・・
最後に僕に残した最後の言葉も
お兄ちゃんだったね
君の成長した姿を見ることなく
僕に一番良い笑顔を残して逝った君
あれからもう40年近い時が経つ
それでも暑い8月が来るたびに思い出す
あの笑顔と僕をお兄ちゃんと呼ぶ声