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罪と罰 4

巣で生活する働き蟻には必ず、三割は働かない蟻が出るという。


何故、僕をパシらせる時にこのような方法にこだわるのか、


仮に、僕がこの不当な搾取行為を告発したとしよう。

集金金額から一人でも正当に対価を払ったと認められる人数があれば、

彼女らは一斉に金を払ったので、不当な者も詳しく特定できない。

「私は払った!」

と全員が主張し、事態はうやむやにされる。

推定無罪というやつだ。

よしんば食い下がったとしても、この学校はこういった問題に対して怠慢だ。

到底何も期待できない。


しかし、今回僕に告発するチャンスがやってきた。

蟻とは違って、人間は甘い穴を作っておくと、誰しもが陥落し堕ちていくものである。

全員が怠慢な蟻になり、義務を無責任に他人に引っ掛けて、遂に巣は機能しなくなってしまった。


集金額がパン一つにさえ足りず、全員まともに金を出していない。

つまり、全員有罪である、ということが確定したからである。


よって、彼女は呼び掛けた。

「誰~ちゃんと払ってない人。」


また、新しく僕のような生贄スケープゴートが選ばれるのだろう。

そこまで考えて、僕は教室を出てトイレに向かった。

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