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エピローグ
終わると、風は吹きやんだ。
拍手とフラッシュを浴びつつ、すぐに退場となる。
「お疲れ様」
そう言われて、自治会長さんからお茶を受け取る。
「ありがとうございます」
俺が答えながら受け取ると、自治会長さんに、あの風のことを聞いてみる。
「そうか、君も風を感じたか。それは素晴らしい。やはり君にも血筋がちゃんと伝わっているようだな」
「どういうことですか」
「うむ、あの風は、神さまの風だ。そう言われている」
「神さまの風……」
お茶はペットボトルで、そのキャップを外しながら、説明を聞き続ける。
「神颪は、元々、颪と呼ばれる風が元だと言われている。山から吹いてくる風のことなんだがね。六甲颪を思い浮かべてくれたら早いだろう。神さまが山を越えた向こうからやってくるという伝承が昔からあり、それと風が一緒になり、今に伝わっているのだと考えられているんだ」
「なるほど、そんな話があったんですね」
俺は、そう言いながら、お茶を一気に飲んだ。
翌日、祭りもすっかり終わり、俺も帰る日となった。
「じゃあ、また来るから」
「ああ、今度は正月かね」
「その頃になると思う」
荷物を全部車に積んで、そして、発車する。
ルームミラーに反射している親の後ろから、優しい、とてもやさしい風が、ゆったりと吹いてきていた。




