二十章 勢いで決めたような企画はやってみてから後悔しろ!
なんとこの小説も記念すべき二十章目に突入しました~!(ドンドンパフパフ~♪
「けっこう感慨深いもんだな」
そうですね、でもここまで早いものです。十章を祝ったのがまるで昨日のように思い出せます
「いやーここのわけのわからない部分はこういう時に使われるんだな」
そうですよ! ここは祝いの場としても有効活用できるんです! 驚きましたか?
「別に驚きはしないけど」
じゃあ十章からここにくるまでで変わったことでも思い出しますか
「十章の時敬語だった僕がいつの間にか敬語じゃなくなってる件について」
それは私も気になってました、本編でも前回思いっきり性格変わってましたし
「まあ地位的な部分が見え隠れしてるんじゃない?」
随分はっきり言いますね、他に何かありましたっけ?
「最初と比べて話す内容がすごく短くなってた」
それは簡単にネタ切れですね
「あとこの部分でのツッコミの少なさかな」
最近は私がツッコミしてましたよね、自分の仕事じゃなかったんですか?
「別にツッコミでお金貰ってるわけじゃないから」
なんか主人公の黒い部分が見えてくるんで早く話変えましょう。では二十章記念いつもの倍は書いてみるスペシャル! 五千文字超え挑戦の本編へど~ぞ♪
【勢いで決めたような企画はやってみてから後悔しろ!】
数日前、人と魔物が交わる村で魔族退治をした。三人で結界を張るために散らばって僕は一対一でボコボコにされたあとボコボコにした、あとからエミィとレキに聞いてみたところ二人とも同じようなやり方で倒したらしい。
「けっきょくお前らも似たようなことしてたのか」
「ヘル兄はよく助かったね、私は死にかけたんだけど・・・・・・」
「僕はちょっと怪我しただけだった」
レキは村に残った奴らを袋叩きにして追い出したくらいだが、言葉で言っているよりはダメージを受けているようだけど、回復魔法のおかげなのか治りが早いようだ。
「レキとかはまだわかるけどヘル兄はどうやって勝ったの? なんかけっこう怪我してたみたいだけど、ていうか私たちが向かった時お腹に大穴空いてたんだけど、レキがいなかったら死んでたよ?」
「さあ、あんまり覚えてないんだ。なんかわけわからない魔法を使った覚えがあるけど」
あの時のことはまったく覚えていない。自分が何を言っていたのかも、どうやってあいつを『殺した』のかも。
そうだ、殺した。なんの考えもなく、理性なんか吹っ飛んでて、エミィが殺されたと思ったら感情が抑えられなくて・・・・・・
「あーダメだ! 全く思い出せない!」
「無理に思い出す必要はないよ、もしかしたら何かの拍子に思い出すかもしれないし」
「そうだね、ん? エミィの毛って黒あったっけ?」
エミィの髪の毛にいつもの白とは全く逆の黒い毛がある。
「あれ? なんでだろ、今までで黒い毛なんて生えたこと無いのに」
「ところどころにあるな、どうしたんだ? レキは何か知ってるか?」
「わからない、神子の白い毛が黒く染まるのは伝説上の本で読んだことはあるけど」
「うーん、まあそれでも何かヒントになるかもしれないし教えてくれ」
それからレキに聞いた話はこうだ。
レキが昔いた街の教会の地下にあった図書館で見つけたかなり古い本に部族の伝説に書いてある本があったらしくそれには『白き神子漆黒に染まる時、妖力を纏いし化け猫現れたり』と書いてあったらしい。これだけじゃ黒い毛になったエミィが化け猫になるかと思うけど、もしかして魔族の奴らと戦っている途中に変貌したのだろうか? もっと早く気付いてエミィと一緒にいたあいつに聞いておくべきだったな。
「でも黒い毛があるのはいやだなー」
「なんでだ? 別に目立たない程度だし問題ないんじゃ」
「私にも白い毛でやってきたプライドが」
「どうでもいいわっ!」
でも何か悪い兆候かもしれないし、一応どうにかする方法は考えておかないと・・・・・・
「レキは何か変わったことは?」
「特にない」
「そうか」
今日は珍しく獣も追ってとかもいない平和な草原に出たので村とかも探さずにゆっくりそこで休もうという話が出たので大きな移動はせず一本だけ生えていた木を目印にみんなで休んでいる。最近は魔族の追手だとか獣の猛襲だとかでちゃんと休めてないしちょうどいい場所があったと思う。エミィはあっちいったりこっち行ったりしてるけど遠くに入ってないしレキは寝たり起きたり瞑想したり瞑想してると見せかけて寝ていたりする。僕もゆっくりと横になって魔法で石と石をぶつけたりして遊んでいた。
「あれ? そういえば僕いつの間にこんな魔法が器用になってたんだろう」
「中二病漫画みたいに戦いの中で成長でもしたんじゃない」
「そんな言い方はないだろ、でも前より集中力が上がったというか、いやあまり集中しなくても簡単な魔法なら使えるって感じかな」
「そういえば魔力の質が変わってる、火に特化した魔力だったのに何か違うものが混ざってるような」
「火以外の魔法でも使えるのか? でも使った覚えなんて・・・・・・」
そこで僕の頭の中に妙なフラッシュバックが訪れた。いつの間にか倒していたあの魔族の野郎をどうやって倒したのか思い出せそうで、
「ダメだ、思い出せない」
やっぱりダメだ。思い出そうとしても何かうまく出てこない感じがする。あとちょっとだと思うんだけど・・・・・・
「まあいつか思い出す。焦らなくてもいい」
「そうだな」
「今すぐって言うなら手伝うけど」
レキが鈍器をちらつかせながら言う。
「やめろ、それは思い出す以前にすべて忘れる危険性がある!」
「そう・・・・・・」
「なぜ露骨にがっかりした顔になる!?」
なんかレキがこういう点で積極的なった気がする、気のせいだろうか? まあ話す機会が増えて僕は嬉しいのだけれど。
「てかその鈍器どこから持ってきたんだ?」
「創造魔法の練習で作ってた」
「どんな魔法だ? 創造ってことは物が作れるのか?」
「そう、でも混合物は作れないし大きさも魔力によって限界がある。私でも十センチ程度の鉄棒が限界」
「じゃあ僕じゃできそうにないな」
「そうだね」
うん、はっきり言われると心にくるものがある。
「そろそろほかの魔法も使えるようになりたいんだけど、なにかいい感じの魔法はないかな」
「お兄さんは・・・・・・ごめんわからない」
「いいよ、自分のことだから自分でやるって」
魔族と一対一で戦って少しは自信がついた、負けそうになったけどけっきょくは勝てたんだからもっと修業して意識がある状態でもあのときくらいの強さを出せれば・・・・・・あれ? あの時の強さっていっても記憶が不安定でよく覚えてないな。
「確か炎とは全然違う魔法を使ったような? こんな感じで」
曖昧な記憶からどうにか思い出して感覚だけで魔法を発動しようとすると、指先から小さな電流が走った。
「いてっ・・・・・・!」
「え? いまのどうやったの」
若干食い気味にレキが聞いてくる。いまのちょっとした電流が何かあったのだろうか?
「よくわからないけど記憶を思い出しつつやってみただけだけど?」
「電気系の魔法は中級者でもちょっと危ない魔法、出力と発動場所間違えると死ぬ」
「え!? そんなこと早く言ってよ、失敗したら」
想像するとものすごくさっき自分がやったことが怖くなってくる。
「大丈夫、お兄さんの魔力なら静電気程度だから」
「レキ・・・・・・最近僕のこと遠回りに馬鹿にしてない?」
「してないよ」
「よかった」
「いや、確約はしないけど」
「馬鹿にしてるじゃないかっ!」
もっと確信を持てる返事が欲しかった。ていうか二言目はいらなかったのに!
「ヘル兄ーあっちに実のある木があったよー!」
エミィが赤い実を抱えながらこっちに走ってくる。見た目はあっちの世界でのリンゴに似ててけっこう美味しそうだけど食べられるのだろうか?
「エミィ、これ食えるのか?」
「わかんない」
「じゃあなんで持ってきた・・・・・・?」
「レキ、これ食べれるの?」
「人体に影響はないよ、まあ一応毒見でお兄さん食べてみたら?」
「毒見って、まあいいけど」
そう言って一口赤い実を食べる。そして口に広がる香ばしいさと下につく酸味のある味わいがして、超絶的に辛かった。
「辛いィィィィィ! なにこれ辛い辛い助けて! 水、水~~~~~~(バタッ」
もうこれ以上ないほどに辛かった。中身は外側の何倍か赤くてまさに辛いですよと言っているようなものだった。
「なにこれっ!? 全然食べれないよ!」
「バブリアっていって軽く火で炙ると甘くなる」
「なんで先に行ってくれないの!?」
「ちょっと見てみたくて」
「好奇心で他人を使うなァァァァ!」
なんでだろう、本当にレキがおかしな方向へと進んでる気がする。しゃべったり年相応の好奇心はいいけどもう少し自重してくれないかな。
「ほら、これで食べられる」
「ありがと、あと三分早かったら心から言えてたよ」
「そう」
「あ、おいしい!」
確かに、リンゴのような見た目とは裏腹に味はイチゴのようで甘くやわらかい食感だった。
「でも果物以外にもエネルギーになる食料は欲しいな、どこかに炭水化物的な食べ物でもないか」
「炭水化物?」
「そうか、こっちの世界にはそんな細かいことないのか、簡単に言えばパンとかだよ」
「パンかー、どこかに村があれば買えるんだけどこの辺はなさそう」
さすがに異世界と言えどパンが木に生ることはないようだ、ちょっと期待したんだけどね。
「じゃあしばらくはこんな感じの食事かな、野菜があればもうちょっとマシになると思うけど」
「それならあっちの方に芋があったよ、あと薬草も」
「そうか、じゃあちょっと採りに行ってくるか、それにしてもエミィはいろんなことを知ってるな」
「村にいるとき本でいろいろ読んだんだー」
明るい笑顔で答えてくる。誉められると笑顔になって落ち込むと泣いてしまう、単純だけど子供っぽくてそういうところがかわいいんだよな。そんな笑顔のエミィとは裏腹にレキは若干ムッとした顔になっている。正確には表情は変わってないから雰囲気だけなんだけど。
「レキ、どうしたの?」
「なにが?」
やっぱりちょっと怒ってる、僕なにかしただろうか? でも原因がわからないうちに何か言ったりすれば火に油だから少し放っておいて
「別に怒ってなんかない」
はい心読まれました。いやー最近なかったらすっかり忘れてましたよあなたの特技、どうしようかなー。
「僕、なにかした?」
「なにもしてないし怒ってない」
「そうか、ならいいんだけど」
僕が安心して歩き出すと
「もう少しかまってくれてもいいのに・・・・・・」
なにか小さい声でレキが呟いた。
「何か言った?」
「何も言ってない」
いまちょっと焦っていたような、まあいいか。そろそろエミィの言っていた場所が見えてきた、本当に薬草とかがいっぱいある、これならしばらくは食糧が持ちそうだ。
「そういえばさ」
「どうしたの?」
三人で薬草を摘んでいるときにふと思ったことがある。
「この辺ってこういう自然の食糧とかはいっぱいあるけど誰か近くに住んでないのかな」
「わからないけどこの辺に気配はしない」
「そうなんだ、この辺に住めばここから畑とかを増やしてけっこう豊かに暮らせると思うんだけどな」
「じゃあここに住めばいいじゃん!」
エミィが突然すごいことを言った。
「でも僕は旅の途中だし、急にどこかに住むなんてできないよ」
「そうかー、でもいい所だと思うんだけどな」
「いまさらなんだけど、お兄さんたちってなにが目的で旅をしてるの?」
・・・・・・あれ?
「特に考えてないっ!?」
「そういえば私のいた村から出てきて特に意味なく歩いてたよねー・・・・・・」
「それにお兄さんはあっちの世界に戻りたくないの?」
「・・・・・・そうだね、戻りたくないと言えば嘘になるかもしれない。でもここにいてエミィとレキと、他にもいろんなところで出会ったここの世界の住人とは別れたくないって気持ちもある。帰らなかったら旅を続けてもいいと思うし帰れる手段があるんなら覚悟を決めるまで旅を続ける。そんな感じかな」
「お兄さんにはあっちの世界での家族とかはいないの?」
「それも覚えてなくてね、でもこっちの世界には血が繋がってなくても家族がいるしこれは幸せなんだと思う、もし帰れるときなにも問題がないなら二人をつれて行きたいくらいだよ。だって離れたくないし、僕が引きこんだ旅なのに勝手に帰るのは無責任だし、でもあっちの世界に三人行こうなんて思わないよ」
「そう・・・・・・僕はいけるのならあっちの世界に行ってみたいけどね」
「私もね!」
「でも今はこの生活を大事にしようよ、帰れる時になったらまた考えればいいでしょ!」
「そうだね!」
「うん」
そうだ。帰れるときに考えればいい、だって今はこの生活が、この家族が、一番幸せなんだから!
うわー無理やりまとめた感じがすごいね
これでも頑張った方だと思うんだけど
文字数が埋まったとたんにまとめに入ろうという姿勢が強過ぎる
六千いってもいいんじゃなかったかな
じゃあ次の記念は一万いこうか
でも作者死ぬんじゃない?
正直なところ五千文字でここまで投稿遅れるんだから一万じゃもう疾走しそうに思う
まあその時考えればいいでしょ
そういえば伏線とかいらないのかな?
どういうこと?
ほら、あの『この時はまだ、あんなことが起こるなんて思はなかった』的な奴
入れようとは思ったけどまだ異世界編続けたいんだよね
異世界編はもうちょっと先までやるの?
もう一つくらい事件解決かのどかな旅がしたいんだよ
じゃああと一つ村で騒動起こして、それを解決する形でお兄さんが元の世界に戻るとか?
でも僕が異世界でたらこの話終わっちゃうんだよね
でも続ける方法はなくはない
そうそう、その伏線が今回の本編で張られてるんだよ
伏線って言うかこの会話でバレバレだと思うんだけど・・・・・・
なにィ!?
ばれないと思ってたの!?
読者はみんなお兄さん並みの理解力だったらわからないと思うけど
さすがにそれはないよね~
そろそろまとめて終わろうか・・・・・・
ヘル兄泣かないで、大丈夫だから
ばれることのイコールは期待にも変わる
そうか! じゃああともう一つくらい村か町の騒動やってそのまま新しい―――
わあああそれ以上言っちゃダメェー!
露骨にばらしても面白くない
そうだよあるかもしれないって言う期待を持たせるんだから!
ごめんごめん、じゃあ今回はこの辺で!
次回は最後の騒動だよ!
期待して待っててね
(舞台裏)
さっきレキ笑ったよね?
ばっちり笑ってた、写真撮ったよ
ナイス! あとでコピーして―――
おい・・・・・・!




