十九章 人間はいつだって力に頼る
はい、前回、前々回と三人称視点で活躍した私です!
「意外なところに出番があったよな」
いやーこれで少しは存在意義が保てましたねー
「もしかしたらこれから後もあるかもしれないから一応ここの会話はあった方がいいかもって考えが浮かんできた」
ですよね! だからこの会話コーナーは続けます!
「でも今回は僕の一人称視点に戻るからな」
もうちょっと出番が欲しかったけど本編へど~ぞ♪
【十九章 人間はいつだって力に頼る】
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
「息が乱れてるな、雑魚を全滅させただけでもうダメか?」
「うるせぇ、殴るって言ったろ」
正直しんどい、雑魚は全員蹴散らしたけどあいつは魔法の使い方が上手いし攻撃もほとんど躱される。僕の魔法はまったく聞かないし体術も魔法で強化された肉体に対してはほとんど意味がない。
「ほら、またいくぞ!」
くそっ、大口叩いて入るけどまったく勝てる気がしない。僕の力じゃ勝てないのか?
「うおおォォォォ!」
「食らえ」
石のようなものが二発とんでくる、それを躱してさらに近づく、ナイフを取り出して体勢を低くして構える。そして間合いに入った瞬間ナイフを横に―――
「ガハッ!」
またダメだった。何度も繰り返しているがなにか目に見えない銃弾のようなものを食らって何度も弾き返されている。貫通力もダメージもほとんどないのが救いだが対処法が見つからない。
「炎塊の章・第一項!」
相手の足元に人間大の炎を発生させる、これだけなら避けられるが避けた瞬間のすきを突けば!
「氷結の章・第一項」
「なっ・・・・・・!」
発生したばかりの炎が魔法陣ごと凍らされる。これじゃ氷柱の危険もあって近づけない、魔法の直接攻撃も無理だし魔力そのものが大きく上回れている。どうする・・・・・・?
「だから抵抗しないで殺されればいいんだ、お前は俺に勝てない」
「僕が生きてる間はわかんないだろうが!」
「じゃあ殺してやろうか?」
ザクッ
「え・・・・・・?」
自分の腹部に違和感がある。だけど感じたくないし見たくもない、見てしまったら現実に負けてしまいそうな気がしたから。でも確認せざるを得ない、恐る恐る違和感のある場所を見る。
腹部に深々と氷柱が刺さっていた―――
「グボア!」
口から大量の血を吐く、内臓まで深くダメージが入っている証拠だ。たぶん小腸の一部が切れるか破れているだろう、激痛と出血が止まらない。
「あと五分くらいでお前は死ぬ、そしてその怪我で俺を殺すことはできない」
「まだ生きてんだから・・・・・・わかんねえだろ・・・・・・」
「なんて往生際の悪い奴だ、死を確信してまで向かってくるとは」
やべぇ、確実に死ぬ。こいつを倒せたとしても村に結界が晴れないかもしれねえ、魔法陣も描いてないんだ、どうしよう・・・・・・とりあえず応急処置だな。
「自分の体に魔法陣を、自殺か?」
「お前殺すまでの応急処置だ」
傷口を燃やして止血する。出血が止まれば少しでも寿命を延ばせるはずだ。
「お前が頑張ってももう無理かもしれないのにな」
「はっ! おい、それはどういうことだ!? まさかあいつらが負けるはずがない!」
「お前のとこの魔族には同じ種族に認められたやつがいってる、部族のとこには俺でも手こずるくらいの筋肉馬鹿だ、あんな小さい娘じゃ潰されてるんじゃないか?」
レキとエミィが死ぬだと? ありえない、あいつらは強いはずだ、今までどんな奴が襲ってきても傷一つなく退けてきたんだ。
「お、なんだこりゃあ? あーこれはあれか、やるよ、形見にでもしときな」
「なんだこれは?」
それはふわふわとして見覚えのある『白い毛』だった。
「東門の方から流れてきた、たぶんのお前のお仲間のじゃないか?」
「・・・・・・てやる」
「いまさらなんだ? 早く逃げたらどうだ」
「殺してやる!」
今まで出ることのなかった爆発的な速さ、自分でも驚くほどに一瞬で接近した。だが
「グハッ」
だが届かない、近いのに、あとちょっとなのに。
「殺してやる・・・・・・」
もう理性なんてなかった、ただ殺すことだけ考えてた。今までずっとこんなこと考えたこと無かったのに、こんな力が人間にあるとも思ってなかったのに。
「うわあああああああああああ!!!」
魔力が手のひらに集中する、それを地面に思いっきり押し付けると地面から火山のように火が噴き出した。
「うお、なんだこれは!? 見たこともない魔法だ」
「殺してやる・・・・・・!」
次はもう左手を上にかざす、そして右手でナイフを相手の少し上へ投げる。
「狂ったか、どこに投げてやがる」
「死ね!」
自分でも何をしているのかわからなかった、だがなにが出来るかがわかった。ナイフに向かって大きな雷が落ちる。
「な!? ぐわああああああああ!」
相手がかなりのダメージを負って地面に落ちる。そしてもう一つ雷が落ちる、それが自分の右手に。普通ならば火傷で済まないだろう、だが痛みもなにもない。右手が鉄の鎧を付けたように変化していた。
「『俺』の名前はヘルトス、部族の村長に貰った名だ」
「こんな時に自己紹介か? 愉快だな」
ここから先は自分で何を言っているのかまったくわからなかった。
「俺の真名は『ヘーパイストス』、ゼウスとへーラーの息子であり雷と火を司る神だ! 貴様のような脆弱な魔族など敵ではない!」
魔法陣腕に現れる、そこからは一個の武器が召喚される。両刃斧ラブリュス、ゼウスがアテナを生んだ際にゼウスの頭を叩き割った斧である。
「やめろ、やめてくれぇぇぇぇぇええ!」
ザシュ!
「命乞いなど知ったことか、貴様の罪は重い」
頭がふらふらする、いったい何をしていたんだ・・・・・・?
「はっ! エミィは大丈夫か!?」
『こっちで戦闘がありました、エミィさんは無事です。いまちょっと寝てますけど』
「そうか、よかった」
『そっちは大丈夫ですか?』
「いま倒したところだ、結界を発動させるぞ」
その後のことはあまり覚えていないが、結界は無事発動して村の中に潜んでいた奴らはレキが袋叩きにして追い出したらしい、これでこの村はもう襲われることはないだろう。
村編終わったけどヘル兄生きてるの?
それはお前も同じだろ
完全に性格が変わってた
そこに関してはまた次回とかで説明すると思う
では次回お楽しみに~♪




