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十五章 終始笑っていられるような事件はそう簡単に思いつかない!

 まだギリギリ残ってるこの場所では何かしようと企画を考えてます

「まあ何かないとまったく意味がないですからね」

 はい、なのでこういうどうでもいいような部分でも花が出るように何か企画を考えてもらいたいのです!

「今のところ候補は?」

 まったくありません

「読者の人に期待?」

 してます! なのでツイッターや感想欄に書いてもらえると嬉しいです! では本編へどうぞ~♪


【十五章 終始笑っていられるような事件はそう簡単に思いつかない!】

 あれから歩くこと半日ほどで村が見えてきた、裕福とも貧しいとも言えない村だかやはり襲われたような跡があり住んでいるのも隠れているハーフか部族ばかりだ。

「ここがあの村か、今は近づけないんだよな?」

「もし敵にみられたらいけない、僕は魔族だし誤解も生むから近づいちゃダメ」

「じゃあ夜まで待つか」

「夜までなにかする?」

「いや、この辺で遊んでたりしたらばれるでしょう、時間になるまで我慢してください」

「つまんないなー」

 いまは太陽の位置がまだ西側に傾いて間もない、月が出てさらに魔族が村をでるまで待つのはかなり暇を持て余すだろう。じゃあ何かその間にできる事は・・・・・・

「レキ、魔法陣を地面に書くのは何か意味があるのか?」

「結界の魔法は構成が複雑すぎてイメージが出来ない、少しでも間違えれば発動しないしそのため」

「ぶっつけ本番じゃできないかもしれなくないか?」

「そういえばそう、じゃあ小さな結界で練習しよう」

 こんな感じで練習が始まった。

 最初は予想通り全く発動せず誰が間違えているのか、どこをどう間違えたのかのを考えてものすごく時間をかけていたが、間違いを克服してなんども練習を五時間ほどしているうちに一辺あたり二十メートルほどの結界を造りだせるようになった。

「これならもう少し頑張れば村を囲めそうだな」

「あなたはもっと正確に魔法陣を描いて」

「あ、ああすまん・・・」

「お兄さんは詠唱が少し遅れてる、余せないと効果が薄いから気をつけて」

「わかった、練習しておくよ」

 魔法のことになるとレキはいつもより少し厳しくなる。やっぱりそれほど魔法にこだわりがあるようでもそのおかげで僕の魔法の慣れや成長にも貢献してくれているといってもいいだろう。

 この前第五項の魔法を使った際ぶっ倒れたことがあったので魔力を増大する修業をとにかく続けてできるだけ魔法の強化を図っている。まだ実感は湧かないけどレキ曰く順調に増え続けているらしい。新しい魔法はまだ覚える気にはならないけど応急処置の一環として小規模な回復魔法も身に着けた。


 月が傾き木々が風に揺れ地が闇に染まるころ、小さな村では大きな動きがあった。遠くで見張っているため耳を澄まさないと聞こえないほどの音だが、かなり多くの人数がこちらの方に向かって走ってきている、月明りでできる影が立体化したような黒い服を着た禍々しい魔力を放つ者たちが何十人も迫ってきている。

「なあ、あいつらこっちにきてないか?」

「たぶん先頭は中級かそれ以上の力を持ってる、早く隠れたほうがいい」

 先頭を走る影は三つ、後ろにいる輩もただ者ではないオーラが目に見えるようだ。

「なるほど、強そうだ」

「噴出する土葬」

 地面が下から爆発したように穴が開く、少し狭いが全員が隠れるのには十分な大きさと深さがある。だがここに隠れてもばれないのだろうか?

「魔法で気配を偽る、早く入って」

「わかった!」

 レキはもう万全のようだ、僕の考えてることもすべてお見通しで行動をとっている。さすがは種族に認められた魔法使いだ。

「おいここから気配がしたぞ!」

「近くを探れ! まだいるかもしれない!」

「了解!」

 足音の量から察すると三十人近くいるだろう。そのうち中級かそれ以上は五人といったところか、統率がとれている分下級集まりの雑魚とはわけが違いそうだ。隠れているのも時間の問題かもしれないし先手を打って戦うか、それとも逃げるか・・・・・・

「戦ってはダメ」

 レキが小声で囁く、戦うことは厳禁らしい。そうレキの雰囲気から読み取れた。

「じゃあどうする? ほかの魔法で逃げるか?」

「魔法は使えない、魔力の波でばれる」

「じゃあどうするんだ、掘るか?」

「僕、男同士はちょっと・・・」

 その『掘る』じゃあねえよォォ! 穴の中で大声が出せないので心の中で思いっきりツッコんだ。この子はいつも冷静なくせにこういうときだけすごいボケかましてくれるな・・・まあそのおかげで緊張が解けるというか気が紛れる感じなんだけど。

「隊長、魔力の発生源が東に進んでおります!」

「よし、班を分けろ、二十人は東の捜索! 残りは帰って見張りだ! 捜索には俺が行く、副隊長は見張りの方を頼む」

「了解!」

 半数以上は別の場所に行くようだが残り十数人は村に戻ってしまう。

「やっぱり警戒してる」

「東に行かせたのはレキか?」

「エミィにも手伝ってもらった」

 敵は魔力の発生源と言っていた、魔法の使えないエミィがどうやって手伝ったんだ? なにか特別なものがあるわけでもないし。

「エミィの毛は微弱な魔力が漂ってる、そこに私の魔力を七対三になるように注ぎ込んで硬化させて投げた、そしたらその魔力を追ってあいつらがいなくなる」

「なんで部族の毛に魔力なんかが?」

「エミィは特別だから」

 そういえば前に部族の神子とかいう話があったな、もしかしたらそれに関係しているのかも・・・

「あの~敵が行ったならそろそろ出ません?」

「・・・・・・そうだな」


 入るときは簡単だけど抜くのがなぜかつらい、指輪などでよくある現象だけど小さな穴も似たようなことがあるらしい。

「ちょっ、もうちょっと詰めてでれない!」

「苦しい苦しい! これ以上は無理!」

「ヘル兄もう少し細くなれないの!?」

「無理の決まってんだろ、これでも痩せてる方だ!」

「どうやってでよう・・・」

 レキについて訂正しよう。やっぱりこいつも天然だ・・・・・・


 次回は穴から抜けて村に向かうところだね

 いや辛い、なんであんな狭いのに入れたんだろう?

 火事場の馬鹿力って言葉がある・・・

 いや違うと思う

 それでは次回をお楽しみにー!

 

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