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十章 別に記念とかでもやること変わんないからいつもの気持ちで始めよう!

 なんとこの小説も記念すべき十回目を迎えました!

「おぉー、めでたいですね~」

 いやーここまで頑張りましたねー、いろんなことがありました。

「そうですね、別にナレーションは何もしてませんけど」

 異世界に落ちてきて最初は少女との出会い、そして二人の旅、もう一つの出会いから耐え難い修業、そしてここにきての裏切り、とことんファンタジーしてますね

「どういうのがファンタジーかわからないんですけど、まあ今回もやっていきますよ」

 はい、がんばっちゃってください!

「それじゃ始めようか」

 期待の本編へどうぞ~♪


【十章 別に記念とかでもやること変わんないからいつもの気持ちで始めよう!】

 いままでのことを簡単に言うと僕たちはレキに教会に呼ばれたと思ったら謎の魔族に気絶させられ、なんとか縄を解いてどうにか逃げ出した。そして僕たちは今――

 ――壮大に逃げていた。

「待てやコラァァァ、何逃げ出してんだよバカヤロォォ!!」

「あんたらが見張りをダメ人間にするから悪いんでしょうがァァァァ!」

「んだとォォ! オイィィ見張りは誰だァァ!!」

「見張り番はナナサキです!」

「あとでそいつ吹っ飛ばしとけ! 今はあいつら捕まえろォォ!」

了解(ラジャ)

 くそ、なんでばれたんだ!? 完全に隠密行動してたのに! どこで何を間違えたんだかちょっと考え直してみよう。

 あの時確か――

「やっと出れたねヘル兄」

「うん、でもまだ見張りとかがいるかもしれないから静かに進まないとね」

「じゃあしゃべったりしちゃだねだね」

「そこまで言わないけど最低限小さい声でしゃべろうか」

 よし、とにかく外に出れて良かった。ここからはレキを探しながらの隠密行動になるし的に見つからないよう慎重に進んでいかないと・・・・・・

「エミィ、僕にしっかりついて・・・エミィ?」

 よこにいたはずのエミィがいなくなってる。さっき隠密行動だと言ったばかりなのにいったいどこに――

「すいませんレキって子知りませんか?」

 エミィィィィィィィ!! なにしてんの!? なんで思いっきり敵に敵の場所聞いてんのこの子!

「おい部族の奴が檻の外にいるぞ! 捕まえろ!」

 そうだ、エミィが見張り番の奴にレキの場所をって

「全部エミィが悪いんじゃねぇか!」

「ちょっと全部私のせいじゃないでしょ!?」

「誰がどう考えてもエミィが悪いよ! ここにいる全員に聞いてもエミィが悪いって言われるよ!」

 そいいって振り向くと追いかけてくる魔族は十人はいる。どうにかして逃げないと・・・・・・

「止まれやお前ら、なんで逃げるんだァ!?」

「追いかけてくるからに決まってるでしょ、追いかけてこなかったら逃げませんよ!」

「わかったァ! じゃあ俺たちは一回止まるからお前らも止まれよ! 五秒数えるから止まれよ! 五・・・四・・・三・・・二・・・一!」

 ダダダダダダダダダダダ!

「止まれやァ!」

「いやあんたらも止まってないじゃないですかァ!」

 くそっ、どうでもいいやり取りしてまで逃げるもんじゃないのか? でも相手はみたところ全員魔族だし魔族の力はまだわかってない。僕とエミィ二人で勝てるかどうか・・・・・・?

「ヘル兄どうする!? 戦う?」

「戦うっていっても魔族十人相手に勝てるのか!?」

「魔族っていってもまだ下級の集まりだと思う、たぶん勝てるよ」

「じゃあやるか?」

「うん!」

 戦うと決まった瞬間走って辛そうだったエミィの顔がぱっと明るくなった。どれだけ戦いたかったんだこの子は? でもこいつらが本当に全員下級の魔族ならいけるかもしれない、よしいくぞ!

「うわっあいつらこっちに向かって――ギャアアア!」 

 よし、もう一人目を倒した。こんな感じなら全然戦える。

「エミィ、大丈夫か?」

「大丈夫、ていうか楽しいよ!」

 五人以上を相手に大立ち回りというか、ピエロみたいに攻撃をかわしながら楽しそうに戦っている。ていうか戦っているというより遊んでいるようにも見える。これじゃ僕の出番はないんじゃないだろうかなどと思ってサーカスを見てる気分でエミィの戦闘を眺めていると

「風鬼の章・第一項!」

「させるかァァ!」

 魔法を発動しようとしてた奴に蹴りを入れて止める。エミィの邪魔をするやつはできるだけ止めておこう。僕自身はあまり戦闘に参加しなくていいだろうし正直言うとエミィの戦いは見てて面白い。

「おい、あいつにも人数回せ! たぶん弱いから三人くらいでいいけども!」

「誰がたぶん弱いだコノヤロォォォ!」

 こっちに回ってきた三人を一気に蹴散らしてやった。なにが弱いだ、どっちかっていうと見た目ならエミィの方が可愛げで戦闘部族には見えないよね!? なんで俺の方が弱いってわかるの? お前らの方が見た目に反して弱すぎるだろ、ヤクザみたいな顔してんのになんで蹴り一発で倒されるんだよ!

「ああめんどくさい! エミィどいて! 炎塊の章・第二項!」

 炎塊の章・第二項、集団でいる敵に有効な広範囲を燃焼させることができる魔法だ。

「ギャアアアあちぃ、あちぃ!! 誰か水蓮の第二項つける奴はいないのか!?」

「無理だ! 俺たちは全員章の一項までしか使えねぇんだよ、くそーおぼえてやがぐはぁ・・・」

 最後まで雑魚丸出しのセリフを吐こうとしてたから物理攻撃で黙らせた。見た目に押されて逃げていた僕たちが馬鹿のようだ。ああなんて時間を無駄にしたんだ、早くレキを探さないといけないのにと先に進もうとすると持続しているはずの魔法の効果が消された。そして穂脳の先に立っていたのは

前よりも綺麗で影のような漆黒のローブ着ているのは

「狭い室内で炎系統魔法を使わないこと・・・・・・教えなかったっけ?」

「なっ! レキ・・・お前どうしてここに・・・・・・?」

「あなたたちが暴れるから、また来なきゃいけなくなったの」

「暴れたのはそっちで焦げてるヤクザ面なんだけどね」

「どうでもいいから早く檻に戻って、あなたたちを怪我させたくない」

「いいや・・・・・・お前がこっちに戻ってこい!」

 そう言って僕はレキに一歩ずつ近づいて行った。


 うわ~もう全然最初と感じが違うね

 そうだね、でもこの展開あと一、二回で終わっちゃうんだよね

 でもいい感じで終わるんだよね

 たぶんね、じゃあ今回はこの辺で!

 次回もお楽しみに!

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