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石を育てるアプリ  作者: 珀桃
石を育てはじめる
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よりどりみどり大学探し

目標があれば頑張れる。

何か、はっきりした目標が欲しい。つまり、志望大学をきちんと決めたいのだ。


私は学校で配られた資料やインターネットで大学についていろいろ調べてみた。


文学部がある大学はいっぱいあったが、偏差値や立地、お金を気にせず、大学で何を学べるか、そこで学べる事に興味があるかどうかを気にした。


しかし、ひとえに文学といってもかなりある。

私は自問自答をすることにした。

あなたが学びたいのは日本文学ですか?それとも外国文学ですか?


「日本文学を学びたい」


古典ですか?近代文学ですか?


「近代文学を学びたい」


近代文学の何を学びたいですか?誰か好きな作家はいますか?それともそういうものが書かれるに至った背景を研究したいですか?実際に文学の舞台となった場所を見ませんか?


「まだ分からない。」


そこでふと私は別の事を考えた。それは大学卒業後の事だった。実は私、小説家志望の人間である。はたして大学を卒業したからといって小説家として生活できるのだろうか?


就職先を見ると小売業や教師、公務員、サービス…などとなっていて小説家というものはない。


「やっぱり個人の才能がものを言う世界だよね」


読んだ小説の一番最後、あるいはカバー裏などに著者についてふれられているところがあるが、そこを読むと文学賞の受賞歴が大抵記されていて、大学云々より賞ありきではないのかとも思う。しかし、私の偏差値では手が届かない難関大学出身の作家もいる。


ああ、決まらない。私はなんとなく嫌になって、石を育てるアプリを起動した。


こないだはゼリーのような柔らかい石に見えたが、今日は少し固くて石らしさがある。…石に石らしさって言うのもおかしな話だが。


「一体お前どうやって成長してるんだ?」

呼びかけたがもちろん返事はない。顔をスマートフォンに近づけて画面を凝視していたらあるものを見つけた。

「…あれ?こんなボタンあったんだ」

それは灰色の歯車マークをしたボタンだった。タップすると次のような一文が表示された。


・アプリ製作者sumitakamakao


たったこれだけしか書いてなかった。どこの誰だろう。

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