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石を育てるアプリ  作者: 珀桃
石を育てはじめる
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石を育てることに決めた

変なアプリの話です。今は。

画期的な育成ゲーム!なんと!石を育てるのです!


あなたは道端に転がった石を普段気にしませんねーそれがそこにいることが当たり前だからです。しかぁし!当たり前のことを当たり前のようにぃ!石をッ!あなたのスマホにおいてみませんかぁっ!


育て方は放置するだけでいいです。全く気に留める必要はありません。石ころだもの。気が向いたら見てやりましょう。


飽きたらアプリを消しなさい。それがあなたの終わりです。


「…なんだこれは」

私、夢路美和ゆめじみわは呆れ果てた。このおかしな論調のアプリ説明文や、アプリの内容にひどくげんなりした。しかし、興味を引いたのはこのアプリ説明文がぶっ飛んでいるからだ。そうでなければ無視していた。


レビューを見ると、

☆1

意味不明。☆一つもあげたくない。


☆5

このアプリのおかげで真の自分に気づけました!有難うございます!


☆3

このアプリ、コンセプトは面白いが、やり方が分からない。今後に期待して☆3です。


☆4

順調に大きくなりましたが突然小さくなりました。これってバグですか?せっかく面白かったのに。


と意見がいろいろ分かれている。


(まあ、無料だしな)

有料ならやめるが、タダなのだからいいだろうと軽い気持ちで私はこのアプリをダウンロードした。


アプリを開くとリアルな石が3つ出てきた。


この中から一つ選んでください。


・火属性の石 熱く燃えやすい性格。前向きなあなたへ。


・水属性の石 クールで冷静。横向きのあなたへ。


・木属性の石 マイペースで自由。後ろ向きなあなたに。


「何これ。ソーシャルゲームじゃあるまいし…しかも横向きのあなたへ。ってなんだよ。後向きと前向きは50歩譲って分かるけど。」

とにかくつっこみどころ満載のアプリだった。


とりあえず水属性の石を選んだ。現れたのはなんの変哲もないただの石。近所に転がっていそうだ。


そこでふと気づいた。

「あれ?餌あげるとか散歩させるとかメニューないのこれ?」

そう、メニューがなかった。ただ石しかなかった。


いや、どんな放置ゲームでもそれくらいあると思うんだが…どうやらこのアプリぶっ飛んでいるのは説明文だけじゃなさそうだ。☆1つをつけたくなるのも分からなくはない。これだけ突き放されたらなぁ。


「とりあえず放置するか」


その日から石と私の不思議な毎日が始まった。

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