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末期ナ意味  作者: masaya
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自殺志願者Ⅱ

微かに視界に入ってくるのは粉砕されてしまった車椅子の破片、ゴミのように切り捨てられている人肉破片。意識は次第に遠くなっていく。両腕は切り裂かれ両足も骨は皮膚から貫いており皮一枚で繋いであるだけ。きっと助かることなんて無い。徐々に衰弱していき自然と無へトカエルデアロウ。

「ふふふ・・・」

どう言うことか彼女は不思議と笑みをこぼしていた。その笑みはどうしてかなんて彼女になんて分かりっこない。しかし、笑うことを止めることができずにいた。するとカツカツと死神の足音が聞こえてくる。視点は定まることなくぼんやりと人影のようなものが見えてくる。

「終わりね・・・」

彼女は笑いから安堵への表情へと変わる。やっと自分がどうして笑っていたのか気づく、と頭の上で死神の足音がとまりこちらをジロジロと観察しているようだった。早く楽にして欲しいと言わんばかりに瞳を閉じ死を迎え入れようとした瞬間、ぼそりと信じがたい言葉が耳に入ってくる。

「キミ・・・もう少し生きたいか?ここで命を亡くすのは大変もったいない。キミならもっと未来を奪える側にいける。私の駒となり動くがいい・・・」

「・・・え?」

思いもよらぬ言葉ていあんに一瞬思考が止まりかけてしまう。一体どう言うことだろう。閉じた目をうっすらと開けるも案の定、視点は定まらなくぼんやりと見えるだけ。死神は命を奪いに来たのではなく与えに来たのだろうか。神と言うものは曖昧(てきとう)な性格をしている。普段は奪う側に居るのにもかかわらずこうたまに求めていない事をしてくる。この死神は待つことを嫌うのかそもそも私の意思など気にしていないのか何やらぶつぶつと聞いたことがない言葉を発し始める。死神の事だ。そうやって(きぼう)を与えたふりをして本当は(ぜつぼう)を与えようとしているのだろう。と言うよりむしろ彼女には死の方が希望なのだ。知らず知らずにまた笑みをこぼしてしまう、と体が徐々に熱くなってくる。じわり、じわりと自分の意思ではない他人(だれか)の意思で血液、心ノ臓が動き始める。

「がはっ・・・」

「やはりな。適性はまずまずだ。遙堪以来か・・・ふふっ・・・楽しみだ・・・」

「・・・あれ?・・・私は・・・だ・・・れ・・・だ・・・?」

彼女は近くにあったボロボロに破けたコートを羽織り夜の商店街へと消えて行く。

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