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末期ナ意味  作者: masaya
35/55

/蠟燭片鱗 26/122

パソコンがフリーズして消えたため速攻で打ち直しているとこんな時間になってしまいました・・・本当に更新が遅くなり申し訳ありませんでした(>__<)

「お待たせしました・・・あれ?遙堪はどこに行ったんですか?」

体調がすぐれないのにもかかわらず上司に無理やり作らされた珈琲を机へ置き辺りを見渡しながら質問をしてしまう。机に置かれたカップを手に取り資料を見つつソファーへと座り彼女は答える。

「なんか用事があって出かけたぞ」

「そうですか・・・結構上手くできたんだけどな」

遙堪が自分勝手に行動することなんていつもの事であり当たり前のようなものなので彼もそこまで気にしていない様子だった。彼も彼女と向き合うように座り珈琲が入ったカップを取り口に運ぶ。自分で言った通り確かに上手にできていた。簡易珈琲とは味、香り、コクが断然違う事に驚く。その表情を彼女は見ていたのかクスクスと笑いだす。

「な?なんでも苦労(てま)をかければ美味しくなるんだ。楽をしようとするとそれだけのものしか手に入らない。人生だってそんなものさ」

抗議の表情で彼女を見るも、なんてな事ない。彼女は気にすることなく口を饒舌に動かしはじめる。

「お前は特にそうだ。楽ばかりをしようとするところが多々あるぞ?まあ、今は機嫌が良いから言わないであげるがな」

「楽をしているのは貴方の方だ」なんて改めて抗議する眼差しを送ってみるが分かっていた事だけれど彼女に届くことはない。ため息をつき静かにカップを口につけ思っている気持ちごと飲み干しテーブルに置かれてある資料に目が入ったので何気なくパラパラとめくってみる。どうも彼女が読む資料は難しい単語、見た事がない文字がずらずらと書かれており初見では先ず分からない。ふと、ある事を思い出し彼女に話しかける。

「奈保さん。ちょっと聞きたい事があるんですけどいいですか?」

「ん?面倒くさいことじゃあなかったら答えてやるぞ」

忙しそうに資料を見つつ返答するところが彼女らしい。

「ついさっき聖堂教会で爆発事件があったらしいんです」

「ああ。知ってるよ」

そう言うと彼女はテレビのリモコンを取り三台ほどあるテレビをつける、と忙しそうな声がテレビのスピーカーから流れだす。どの局も同じような報道ばかりでなんの新情報も流してはいなかった。世間的には爆弾を使った事件だと言っているのだけれどどうしても僕はこれが破壊兵器(ばくだん)ではなくもっとなにか他のこの世の中にでは起こり得ない力で起こされた事だとなんとなく感じていた。それを確信するため彼女に質問をしようとしたのだけどどうしても言おうとしていた言葉が上手く出て来なかった。何故なら、先ほどまで資料を見ていた彼女が櫨谷に針のような鋭い視線で見ていたからだった。遙堪とは違う視線でありどうしてもこの視線だけは苦手だった。

「櫨谷・・・お前は確かに感が鋭いことは認めるよ。それが魅力で私はお前をここに置いている。だけどな?今回は遙堪と私に任せろ。お前はただの足手まといだ」

ゴクリと大きな音を立て生唾が喉を通る。いつもならばそれで彼は納得するのだけれど今回は違った。数回頭を振りもう一度、彼女の視線に立ち向かった。

「足手まといなのは分かっています。奈保さんが言う事も絶対に間違っていない事も分かります。けれど僕はこの案を降りる事はないです。もしも、奈保さんがダメと言うなら自分一人で調べてでもこの事件を追います」

「自分が死んでもか?」

「はい」

呆れたようなためいと共に深く彼女はソファーの背もたれへと体重をかけ、胸ポケットに入れてある煙草に火をつけ大きく口から煙を吐きだす。

「そんな表情をしたお前を見るのも久々だな。昔と違うのは少し大人っぽくなったことか・・・なかなか男性らしい顔つきになったじゃないか」

大人の女性。それも憧れの瑞穂奈保からそんな事を言われるとは思ってもみなかったため顔を赤らめ視線を机の上へ下げてしまう。櫨谷の反応を楽しんでいるかのように彼女はクスクスと笑っている。

「勝手に調べられて野垂れ死にされると社会的な私の立場が危ういし目ざめも悪い。分かった。なんでも聞いてくれ。聞かれた事にはちゃんと答えよう」

そう言うと改めて上司(しごと)モードの表情へと変わりこちらを見てくる。

「まず、聖堂教会には今回の事件との関連はあるんですか?」

「あると言えばあるし、ないと言えばない。ここは本当に私もよく分かっていないところなんだ。佐江島がなにかこの蠟燭事件に関与していた事は確かだ。これは報道されていないのだけれど殺人が起こった場所にはこれが毎度落ちていたらしい」

そう言うと彼女は胸ポケットから青い錠剤が入った小さなビニール袋を机に投げてくる。露骨に怪しいのは青色にコーティングされていると言うぐらいであって手に取ってみてもなんらオカシイところは無く普通の市販されている錠剤にしか見えない。

「STD。仮夢彌病を発生させる(まやく)だ」

「仮で夢彌病を発症させる薬・・・」

「ああ。でも、なぜ夢彌病をわざわざ意図的に発症させる必要があるのかは分かってない。それに本当は別の目的でこれが創られていた可能性もあるんだ」

「別の可能性?」

「ああ。これを使って人為的に動かしターゲットを殺す人間(ロボット)を創ろうって可能性」

「まさか・・・薬で人間を意図的に動かせる事なんて出来るはずがないですよ。人間には意思がある。人の意思(しこう)を薬で動かせれる訳がないですよ」

「ま、普通の夢彌病患者だったら別にそこまで神経質になる必要は無いんだ。ただ、見つけたら隔離すれば良いだけだしな。でも、仮ってのが厄介なんだ」

そう言うと奈保さんは一枚の資料を机に置く。

「佐江島が送ってきた資料だ」

「これって・・・」

「ああ。仮夢彌病患者(じっけんしゃ)症状の一例だ」

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