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軍人シリーズ

平凡軍人の非凡な才能。

作者: 雨夜 紅葉

リオグランデ王国。

この国は世界有数の軍事国家でありながら

トップクラスの先進国でもある。

中でも

『リオグランデ防衛軍』通称『クラウディア』は

世界一の強さを誇っていた。


つまり、俺のような一兵卒には遠い世界な

ーーはず。

なのに、この状況はなんだ。


「トア・フィニス。

貴様を、『リオグランデ防衛軍中佐相当官』に任命する!」


会場中で驚愕の声が上がる。

ーー特進だと?

ーーなんであんな奴が。

あぁ、お前らの気持ちは良くわかるよ。

納得いかないもんな。

だったら誰か、代わってくれ。

もうホント頼むよ。

誰でもいいから代わってくれ!

あんなとこ行きたくねぇ!


「良かったな、おめでとう」


なにがだ!

なにが良いんだよ!


ツッコミどころはたくさんあったが

上司の命令は絶対だ。

俺は必死に感情を押し殺して


「了解、しました」


敬礼した。


翌日。


「うわ……」


クラウディア本部に着いた俺は

その巨大さに圧倒される。

そこにあったのは

世界一の軍にふさわしい光景だった。

数えきれない程の重火器と兵器。

原子爆弾が有ってもおかしくなさそうだ。

……いや、この国に原子爆弾(そんなもん)ないんだけど。

ここが、今日から俺の職場。


「帰りてぇ……」

「おい、そこで何をしている」


背後からの声に慌てて振り返る。

だが、人影はどこにもない。

首をかしげていると、怒気を含んだ声が下の方から聞こえた。

ーーん?下?


「ケンカ売っているのか貴様……」

「売ってません!」


明らかに140㎝なさそうな少年が

眉を潜めて、こちらを見上げている。

身に纏っているのは、間違いなく軍服。


「……貴様が、今日から来るという新入りか?」

「あ、はい。

トア・フィニスです、よろしくお願いします」

「階級は?」

「中佐相当官、です」

「そうか。ならばまだ俺のほうが上なのだな」


そりゃそうだろ。

俺昨日昇進したばっかだし。


「俺はノワール。地位は大将だ。

よろしく頼む」


大将!?

俺いきなり大将に会ってんの!?


「では、元帥に挨拶しにいくぞ」


クラウディア。

噂以上に凄いところみたいだ。





元帥執務室前。


「失礼します。元帥」

「どうぞ」


鈍い音と共に、扉が開いた。

この先に、世界一の軍のトップが。

自然と体が強張る。

それから。

ふと、気付いた。

さっきの元帥の声、どこかで聞いたことあるようなーーーー


思い浮かぶのは

『僕、大人になったらげんすいになるんだ!』

子どものころ、よく遊んだ友人の言葉。

……いやいや、それはないって。

あいつが元帥とか、ありえな

「久しぶりだね、トア」


……、……。


「なっ……!?

貴様、元帥と知り合いなのか!?」


ナニヲイッテイルノカナ?

コンナヒトシラナイヨ。


「え、忘れたの?

僕だよ、アベル・ウォーエン。

子供のころよく遊んだじゃないか」

「嘘だろ……?」

「ごめんね、事実だよ。

ちなみにトアを中佐相当官に推したのも僕」


お前か!

俺の人生狂わせやがって!


「だってさ、有能な人は手元に置いときたいじゃん?」


ノワール大将の視線が痛い。

本来なら元帥(こいつ)、一発殴りたいぐらいだが

ここではあくまで上司と部下。

初日から悪目立ちするのは避けたい。

他人のふりだ、他人のふり。


「本日より配属されることになりました、トア・フィニス中佐相当官です。

よろしくお願い致します」








あまりに長かったんで一旦きります。

でも連載にはしません。シリーズ扱いです。

きっと次かその次あたりで完結すると思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] コミカルなやり取りがおもしろかったです。 [一言] なるほど。友人の悪ふざけでこうなったんですね。
[一言] 読ませていただきました! とっても面白かったです。特に主人公の心の声が(笑) 短編なのがもったいないなぁ、と思うぐらいです^^ 更新頑張ってくださいね!
2012/12/26 16:47 退会済み
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