セールofライフ
人の一生は
そこまでながくないという
実際、まだ15年しか生きていない
俺にとってはそういう認識しかない
なんせまだ人生というものは数十年続くものであり
まだたくさんの枝分かれした人生がある
選択によって人生は変わるし
また破綻する
しかしそんな長いと思っている人生も
今思うともうこんな年齢なのか
と思うときがある
中学時代は本当にあっという間だった
そこそこ友達もいたし、勉強も底辺というわけでなく
進学も一年の受験勉強でちゃんと行きたいところに行けた
いわゆる普通だった
しかし今では高校一年生
割とクラスで溶け込むのは早く、すぐに話す相手もできた
そして溶け込むよりも
この年齢になって考え始めることがある
それは
人間はだれもが高見を目指そうとする
つまり妄想だ
これが現実になればいい人生が待ってる
そのために努力する それが人間というものだ
しかし果てしなく遠い夢だと
努力する気にもならない
だが、妄想は終わらない
楽して得ようと思う
そう思った高校一年生だった
入学から5日目の登校中
俺は入学式時にできた友人の吉木と
そんな妄想の話をしていた
「なんで俺こんなんなのかなー」
信号が赤から青に変わったあたりから下を向きながら
歩いてる吉木が何考えてるかと思ったが
こんな言葉がでてきた
「なに朝から言ってんだよ、こんなんってどんなんだよ」
「だってさ俺の友達はさー県上位の足の速さとかだとか
日本でも有名な学校に入ったりだとかさ
なんかうらやましくね?」
「でも十分お前はかっこいいよ」
「まーそこは知ってんだけどさ」
「・・おい」
二人とも真剣な顔で言っていたため
外から見るとジョークに聞こえなかったような感じもした
そこはどうでもいい
そしてその横断歩道を歩き終えたとき
ふとなにかに気づいたかのような顔で吉木は言った
「女を作って一発逆転!を狙うか」
「ま、お前はイケメンだしどんな女もおてだまだろ?」
「うん、8個くらいのおてだまを回せると思うんだけどさ」
「はいはい」
俺はそのとき、目線は左の角にあるガラスばりのファーストフード店にいった
そこには会社通勤中の人が朝飯を食べているのか
スーツ姿の男が多く見られた
将来の自分もこんなんなのかなと少し思うところもあるが
高校一年生ではそんな実感はわかない
ただ吉木の言った「うらやましくね?」が頭の中に響いていた
「お前はあのファーストフード店にいる人をうらやましいと思うか?」
「え、どれ?カップルいなくね」
「いや、そうじゃなくてあの通勤中の男の群れ」
「あの群れか、でもいつか俺もそうなるんだろ、あ!」
吉木がおでこを平手打ちしこういった
「俺はモデルかアイドルだったぜ!」
「はいはい行ける行ける」
「だろ?」
「ってことはお前はモデルかアイドルをうらやましく
思うって言うことか?」
「うーんどうだろ、なりたいっちゃなりたいけど
今思うと遠い夢だしな、もう妄想の次元」
「一回応募してみれば?モデルでも家畜でもなんでも」
「かち、、え?なんだって?」
「気にするな」
「モデルか!一回やってみるかな!」
「お前ならいけるさ」
「そうか!ならやってみよ!」
ほんの冗談のつもりだった
まさかねこいつがね
と思っているうちに学校の校門まえまでたどり着いた