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決断 其の1

 朝。豪奢なカーテンの隙間から暖かい日差しが射し込み、小鳥の(さえず)りが聞こえる中、目を覚ました。微睡んだ意識が小鳥の囀る声と分厚いカーテンの隙間から漏れる朝日を認識する。あれから、殆ど寝る事が出来なかった。


 頭が重い。寝覚めは最悪で、来賓用の豪華なベッドの中で何度も寝返りを打つが、寝る前にあった柔らかい感触がない。何時の間にかアメジストがいない事に気づいた。まぁ、流石に仕事に行ったんだろう。ならばもう少し……と、その辺りで何か人の気配に気づいた。


「いーつまで寝てんだよ。起きろぉ」


 この声はシトリンだ。


「おはよう」


 ルチルもいるみたいだ。


「おはようございます。ご気分は如何ですか?」


 反射的に身体がビクッと震えた、ローズまでいる。

 

「フゴゴゴフゴゴフゴ」

(おはようございます)


 オイ何だ今のくぐもった声?と、やはり考えるまでもなく予想がついた。とにかく、4人揃っているならば寝ている訳にはいかず、重い身体を無理やりにでも引き起こした。


 予想通り四姉妹。ただ……アメジストは椅子に縛り付けられ、更に猿轡(さるぐつわ)を嵌められているが。君、この都市で一番偉いんじゃなかった?相当強いんじゃなかったっけ?何というか、起き抜けからいきなり酷い光景を見せてくれるなこの人は。


「話は母上から聞いた。お前の世界の事も置かれた状況も粗方、な」


 シトリンが伏し目がちに語る。そうか、結局あの人は話したのか。


「勝手知らない異世界よりも元の世界に戻りたいって気持ちは分からなくはない。で、どうする?」


「とは言え、母上の話ではアナタの住む地球という星は相当に荒廃しているという話ですけど?」


 ルチルとローズの言葉に俺は何も言えなかった。


「フゴゴフゴゴゴフゴフゴフゴゴフゴゴゴフゴゴフゴゴフゴゴゴゴゴフゴゴゴフゴゴゴフゴフゴフゴゴ」

(滅亡の元凶は既に居ない様ですけど、人が住めるかどうかは限りなく怪しいそうですよ)


 君はまず猿轡を外してもらってから喋ろうよ。どうせまた勝手に部屋に入った事を(とが)められたんだろうな。と、まぁコレは置いておいて、質問に答える必要がある。彼女達は神が探し出した俺の運命の相手らしい。


 その運命ってのがどれ程の強制力や拘束力を発揮するかは聞きそびれたが、でも恐らく――いや確実にアメジストは俺と行動を。


 この星に残るならばそれで良し、もし地球に戻ると言えばきっと彼女だけは俺についてくる確信があった。残りは、どうだろう?番という運命にある他の3人も同じ選択を選ぶ可能性はゼロじゃない。ただ、誰も彼もゆるふわストーカーとは違い理性的だから残るかもしれない。


 残るべきか、廃墟となった故郷に戻るべきか。自分だけなら気楽に決められた。だけど、選択肢次第では彼女達を巻き込む。なら、俺は――

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