月1華金
「お疲れさまです。」
「お疲れさま。」
今日は華金、月1で後輩の森ちゃんと只今事故で入院中の先輩とご飯の日。
「無事終わってよかったですね。」
「一安心。」
私は、目の前のお酒に口をつけた。
森ちゃんは、全く飲めない可愛い子でいつも車を出してくれる。
聞かれても支障がないぐらいの仕事の話しや、プライベートの話をしている。
「いつもラブラブね。」
「そんな事無いですよー」
森ちゃんには長年付き合っている彼氏がいる。
「そういえば、昨日あっちの営業さんもいたんですよね?」
「ゴホゴホ」
「大丈夫ですか?」
むせた私にお手拭きをくれた。
「誰から聞いたの?」
「そりゃ、浜口さんですよ。」
ため息をついてしまった。
「私が、先輩の事で知らない事は無いですから。」
可愛い笑顔で言われたらなんとも言えない。
「で?」
「でって?」
「お付き合い前提の友達とは?」
「そこまで聞いたの?」
浜口さんには、釘刺さなきゃと思ってしまった。
「連絡したりかなって言っても、昨日からだし。」
「これからですね。」
なんか恥ずかしくなった。
森ちゃんに断りを入れて一服するために外に出た。
「おっ、西崎じゃん。おつかれ」
喫煙場に山谷がいた。
「おつかれ。」
軽く無視をしながら電子タバコをつけた。
「今日華金会か。」
「そだよ、ってか月曜の出来たの?」
「もうちょ、明日見に来てくれるんだろ。」
昼間見た製品がまだで、うちの会社は月末華金は基本ノー残業デーだから、休みの明日も少し出勤することになった。
「早くしてね。」
「わかってるよ。」
山谷は、煙草の火を消し手を上げながら去っていった。
「西崎さん。」
誰かに声を掛けられ、思わずむせてしまった。
「ゴホゴホ、神谷さん?」
「ごめんね。」
「いえ、大丈夫です。」
神谷さんは、私の隣に立ち電子タバコをつけていた。イケメンは何をしても様になるなと思ってしまった。
「接待ここだったんですね。」
「うん。ねぇ、また触られた?」
「えっ?」
彼の言葉を聞いて驚いた。
「昼間言ったよね。」
あいていた手を撫でられて昼間の事を思い出してしまった。自分の顔が赤い事はわかる。
「神谷さん、大丈夫ですか?」
店の扉が開いた音がすると、田代さんがやって来た。
「はい、西崎さんと会ったので話してただけです。」
私は手を離そうとしたが、強く握り返された。薄暗く私の前に神谷さんがいるので田代さんには、私も手も見えていないだろう。
「お疲れさまです。」
彼の後ろから顔を出し田代さんに声をかけた。
「あぁ、お疲れさまです。」
田代さんが私の事嫌いなのは知ってるから気にもしない。
「もぅ、戻りますよ。」
神谷さんが握っていた手を放してくれたが、放す瞬間小指だけが残っていた。
「西崎さんまた。」
「はい。」
彼女の方に向きながら、もう1度だけ小指を触れて彼女の方へ言った。
秘密の約束みたいで恥ずかしい。赤くなった顔を冷ましてから店へ戻った。




