これから
「お試しで付き合ってみたら?」
「浜口さん、何言ってるんですか?」
このおじさんは、いつもいらないことを言う。
「あの人と別れてからいないだろ?」
痛いところを突かれる。
「もぅ、半年経っただろ。神谷さんイケメンだし絶対良い人だと思うぞ。」
前回もそれ言ってた。
「どうだ?」
相手が隣にいるのに断る事はしづらい。
「神谷さんの事全く知りませんし、私仕事人間なんで恋愛は二の次です。すぐに恋愛にとは無理なんですけど。」
軽くお断りの意味を込めながら神谷さんを見た。
「構いません、少しずつ僕の事を知って欲しい、少しずつ西崎さんの事を知りたい。僕もどっちかって言うと仕事人間です、少しずつ擦り合わせて恋愛していくのはどうですか?」
神谷さんは、真剣に私を見てきた。
「じゃぁ、お付き合い前提のお友達はどうだ?」
浜口さんが、またなんか言ってる。結婚前提のお付き合いは聞くけどと心の中で毒を吐いといた。
「じゃぁ、そうしましょ。」
そう答えた私を神谷さんは、笑顔で私を見ながら頷いていた。
それから、焼肉を食べ1時間程でお開きとなった。接待扱いなのでタダだ。
「西崎、神谷さん駅前のホテルに送ってくれない?帰り道だよな。」
またこのおじさんはと思いながら、拒否権がない事を悟った。
「分かりました。神谷さん、私の運転で申し訳ないんですがお送りしますね。」
「いいんですか?」
「西崎の帰り道なんで大丈夫です。」
お前が言うな。
車の中2人きりで、何とも言えない空気
「西崎さん、毎日連絡してもいいですか?」
助手席に座る神谷さんが、赤信号で停まった時に話しかけてくれた。
「大丈夫ですけど、返すの遅くなるかもしれませんよ。」
「大丈夫です、逆に次の日にも繋げられますし。もし、嫌じゃなかったらおはようとおやすみも送っていいですか?」
この人グイグイくると思いながら、話を聞いた。
「大丈夫です。私送るの忘れる事ありますよ?」
「いいです、僕がしたいんで。嫌だったらはっきり言ってくださいね。」
車を運転しているから、顔は見れない少しそれが残念だった。
「では、また明日からよろしくお願いいたします。」
あれから5分ほど走らせてホテルの前に着いた。
「はい、仕事中は私情挟まないようにしますね、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
彼が、ホテルに入るまで発進を止めようとしたがいつまでも彼が手を振るので車を走らせた。
[今日は、ありがとうございました。これから、末永くよろしくお願いします。
おやすみなさい。]
家に着いた時には、神谷さんから連絡が来ていた。
[こちらこそありがとうございました、よろしくお願いいたします。
おやすみなさい。]
連絡を返し、末永くという言葉に恥ずかしくなりながら布団に入った。




