赤い顔
「すみません。」
いきなり離れた神谷さんに驚いた。
「あっ、いや。」
久しぶりの口づけが、まだ付き合ってもない男性で強引で今まで付き合った人達には無い謙虚さもある、とても興味深い人だ。
申し訳なさそうに土下座の体勢になっていて少し笑ってしまった。
「神谷さん、頭を上げてください。」
神谷さんは、泣きそうな犬みたいになっていた。
「そんなに謝らないでください、嫌じゃなかったんで。」
私の言葉を聞いて、神谷さんはまた抱き着いてきた。
「西崎さん、俺に甘すですよ。」
「そんなこと無いです、知り合ってまだ3日ですけど神谷さんに惹かれてますから。」
目を見てそう伝えると神谷さんは満面の笑みで私を見つめていた。
見つめ合って数分が経った時、また神谷さんの顔が近ずいてきた。
「待ってください。」
「あっ、ごめんなさい。」
次は土下座なしで少し抱きしめられたまま後ろに下がっていた。
「あっえっと、する時言ってもらえませんか?」
「言ったらしていいんですか?」
恥ずかしすぎて、下を向いたまま頷いた。
「西崎さん、やっぱり今から付き合うのはだめですか?」
「私、後2ヶ月はこっちなんです。その後は新工場に異動なので近くに行けるんですけどそれまで遠距離です、それなら近くに行ってから付き合うじゃだめですか?」
私は今思っていることを伝えた。
「2ヶ月後恋人になれるってことでいいんですか?」
「はい。」
「俺、待ちます。」
また抱きしめられた。
「はぁ」
「どうかしましたか?」
ため息をついた神谷さんを見て言った。
「長い間、西崎さんだけを探して良かったと思って。しかもすぐにこんな関係になれるなんて、俺これからも西崎さんに好きですいてもらえるように頑張りますね。」
神谷さんは凄い笑顔で私を見つめていた。