表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/14

手料理

「お待たせしました。」

神谷さんが停まっていらっしゃるホテルの前に着いたら神谷さんは待っていてくれた。

「お疲れ様です、お休みの日まで大変ですね。」

助手席に乗り込みながら言われたわ。

「今忙しいんで仕方ないんですよ。」

神谷さんがシートベルトを締めたのを確認して発進させた。


車の中では他愛もない話をした。

神谷さんは話をふってくれてとても話しやすい。


車をアパートの駐車場に停めながらこれから神谷さんを部屋に入れる実感が湧いて、凄くドキドキしていた。


「せんぱーい。」

車から降りた瞬間、森ちゃんの声が聞こえて振り向いた。

「森ちゃん」

思わず声をかけたが、森ちゃんの目線が私の後ろに行っているのに気付いて焦った。

「えっ、あっ。お疲れ様です、私今から買い物行くんで、じゃぁ。」

森ちゃんは、神谷さんに驚きながらもニヤニヤして自分の車に乗り込んでいた。

これは月曜日、いや今日の夜辺り来るなと思いながら車のドアを閉めた。


「何もないところですけど。」

スリッパを出しながら神谷さんを招き入れた。

「お邪魔します。」

この部屋に男性が入ったのは初めてで、しかも知り合ったばかりの方なのでかなり緊張する。


「ソファにでも座って下さい。」

リビングにあるソファに座って貰うように促し、自分は隣の部屋に荷物を置きに行った。


「神谷さん、ご飯なんですけどドライカレーの作り置きでもいいですか。」

リビングに戻りながら神谷さんに話しか


「大丈夫です。」

「苦手な物とかありますか。」

「基本何でも食べます。」

私自身好き嫌いが無いので、好き嫌いが無い人には好感がもてる。

「今からご飯炊くので少し時間かかるんですけど」

「大丈夫です。」

エプロンを着けながら、冷蔵庫から麦茶を出して2つのコップに注いだ。

「どうぞ、テレビでもつけますか。」

「あっ、いや。」

何か言いたそうな神谷さんを見つめた。

「料理してるとこ見ててもいいですか?」

「えっ。」

「あっ、いやテレビより西崎さんを見ていたいんです。」

真剣な顔で言われて顔が赤くなってしまった。余り顔を見られたくなくて頷いてから立ち上がりキッチンに向かった。



あれから20分ぐらいで全ての準備が終わって、ソファの前にあるテーブルに並べた。

「凄いです。」

「作り置きばかりですみません。」

料理をするのは好きで、少し前に作り置きを作っていたばかりなので結構品数ができた。

「いただきます。」

2人で横に並んで手を合わせた。


「美味しい。」

神谷さんがドライカレーを口に運ぶのを待った。

「西崎さん、料理お上手なんですね。」

神谷さんは、凄い笑顔で次から次へと口に運んでいた。それをみて安心したので私も食べることにした。


「ごちそうさまでした。」

「お粗末様でした。」

机に出ていた全ての料理を食べてくれた。

「お粗末とかじゃないです、絶品すぎます。」

「そんなに褒めなくていいですよ。」


私を見つめる神谷さんを見ると凄くドキドキしてしまう、イケメンとは怖い。

「洗い物してきますね。」

「俺も手伝います。」

神谷さんは、自分の食器を下げて私が洗ったお皿を拭いてくれた。

一通り終わって、2人でソファに座った。

「あっ、チーズケーキあるんですけど食べますか。」

「いいんですか、俺大好物なんです。」

一昨日作ったチーズケーキの残りを出して切った。大好物と言っていたので神谷さんのは大きめで。

「コーヒー飲みますか。」

「あっ頂きます、ブラックで大丈夫です。」

神谷さんのコーヒーと、自分の紅茶を入れて全てトレーに乗せながら運んだ。


「もしかしてですけど、これも手作り?」

「あっ、そうなんです。口に合えば良いんですが。」

チーズケーキを一口運んだ神谷さんが俯きながら言った。

「もぅ、どこまで俺を惚れさせるんですか。」

「えっ。」

勢いよく、私に抱き着いてきた彼に驚いた。

「料理は上手いケーキも作れる、運転は上手い、仕事も出来て気遣いもできる。こんなの惚れないわけ無い。色んな人が西崎さんに言い寄るのも分かります。」

抱きしめられながら褒められるのは恥ずかしい。

「しかも、顔を赤くする姿がグッときます。少しでも俺の事意識してくれてるんだって、西崎さん好き。」

更に強く抱きしめられながら、告白されて心臓が止まるんじゃないかと思ってしまった。


「俺、凄く強引なんですよ。今だって西崎さんをすぐにでも俺の彼女にしたい、可愛い唇にキスしたい、でも嫌われたくなくて。お付き合い前提ならキスしてもいいですか?」

「えっ」

思わず顔をあげた瞬間、唇が触れた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ