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魔法少女:Record Blue Imagine   作者: 誰何まんじゅう
First:その身体に潜むもの:蒼き慟哭
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vsスパーク 2

「ッチ、上から下まで見たが見当たらねぇ。透明にでもなれんのか?」


 悪態をつけながら瓦礫を蹴散らし、周りを探る。


「しかし、ムカつくヤツだな。常に監視なんざつけやがって。魔力がわからないのが余程怖いみてぇだな」


 ゴールドラッシュとは別待遇でグリーンアサルトには常に監視の目がある。不意打ちの触手とは別にその名の通り目玉のついた触手が常に尾行している。


 イラついて何度か引きちぎったが消えるたびに新たな触手が現れる。


(ま、ある意味わかりやすいけどな。常にオレをみてなきゃならねぇなは移動を続けて鉢合わせを恐れてるってコトだ。監視の目がある限りオレ達が辿り着けない位置取りをしてチマチマ攻撃)


「はぁ、うざってぇよなぁ!あークソ、こんな廃墟ぶち壊した方がはえーつーの」


 苛立って吠える姿を隙だと思ったのか背後から雷撃が放たれる。無論、気を抜いている時間など一分一秒も無い。呆れるほどにワンパターンの戦法を繰り返しているのもあり、グリーンアサルトは我慢の限界に近づいてきた。

 いい加減本体をぶちのめして家に帰ってシャワーを浴びたい気分だ。


「あー、どう追い詰めてやろうか。一先ずテメェは邪魔だ、爆ぜろ」


 監視の触手を握力で握り潰し、直ぐに部屋を出る。身体を窓の外に投げ出しつつ、砕けた壁の一部を向かい側の部屋に投げ込む。

 投擲により、壁が一部破損して大きな音を響かせる。


 グリーンアサルトは外壁の隙間を指で掴み、身体を支える。そこから器用に壁伝いで反対方向の外壁まで向かう。体が決して乗り出さないように、そっと覗き込むと監視の触手が標的を見失って困惑していた。



(っは!ザマァねぇな。全く通用していない作戦を改めない辺り、知性は低いと思ったぜ。理性がある奴がここまで馬鹿とは思わなかったけどな)


 グリーンアサルトは監視の目を逃れるべく策を練っていた。試行錯誤を繰り返し、どうにも腑に落ちなかったが、結果として成功した。


 監視の目は破壊されてから新たに生み出し、派遣をする。魔力探知が使えないと理解した結果の行動だろうが余りにも詰めが甘い。破壊された後に次を生み出す為、必ずフリーの時間が生まれる。撤退するならもう一本生やしておき、消えた直後にそれで監視を始めるべきだ。

 それに加え、消えた直後は音を頼りに監視が向かってくる。視覚、魔力の二つの情報がない故に音に反応して向かってくる。

 故に監視の前で何度が癇癪を起こしたように物に当たってる行動を印象付けた。それによって廃墟の外側に退避する際、向かい側で大きな音で監視が来るように誘導したのだ。


 余りにも上手く物事が進みすぎている。というよりは敵の行動が稚拙というか機械的なのだろう。一つの結果を得る為に、最適と考えた方法に則ってパターン化した行動しか取らない。それが『スパーク』の敗因なのだろう。


(...ヤツの居場所はほぼ特定できている)



 ホテルにほぼ必ずあると言ってもいいスペース。覗かれても直ぐに退避できる、都合のいい隠れ蓑。故に魔法少女達を必ず監視している必要があった。そうでなくてはいとも簡単にその巨体を晒すことになるからだ。

 


「おい、二代目。あのヤロウの居場所は概ねわかった。奇襲をかけるぞ。反撃の時間だ」




 

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