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魔法少女:Record Blue Imagine   作者: 誰何まんじゅう
First:その身体に潜むもの:蒼き慟哭
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vsスパーク

 ホテルの天井、床下、果てには窓から電撃の触手が忍び寄る。

 追い詰められた『スパーク』は逃げることを諦めて徹底抗戦の構えに出た。魔法少女達からは見えない場所に本体の身を隠し、唸る体から人の腕程度の太さと数十mは伸びる長さの触手を生み出した。身体から生えた触手は魔法少女達の感知と襲撃を命令している。

 本体を探しながらホテルを奔走する魔法少女を見つけては死角から襲撃して電撃を浴びせる。反撃に遭い、触手を引っ張られた時には切り離して決して本体には通さない。

 万が一、本体の近くまできた場合には身体の触手を使って壁側を這って階層を上へ下へと移動を繰り返して正面衝突を避ける。

 『スパーク』は理解しているのだ。正面からやりあって魔法少女には勝てないと。

 それ故に策を弄して追い出す、もしくは殺すしか選択肢がない。鳥人のような素早さが本体にあれば見向きもせずに逃げ切る事ができるのだが、無いものねだりだ。

 巨体の唸りでは素早く走ることもできずに這うことしかできない。



「っち!どうなっていやがる」


 上からの襲撃があった為、3階へと登った2人だが今度は床下から触手が這い寄りフロア全体に電撃を解き放った。

 本体に比べて小さい端末の役割なのか、それほど強力な魔力は無い。


「厄介だね。しっかりと受け止められれば防げるけど、不意に撃たれてはショックで倒れそうな威力だ」


 魔法少女達も普段から障壁を完全に張っている訳では無い。常に守り続けていては魔力を無駄に消耗して魔力切れを起こす。必要な時、展開をして攻撃を防いでいる。

 

 

「あぁ、そうだな。あのヤロウは消耗戦がお望みのようだ。最低限の力で不意を突いてあわよくば倒す。無理でもこっちの魔力切れを誘発させ、撤退を促すつもりだ」


 攻撃に対して防ぐ魔力の方が圧倒的にコストが大きい。相手の使う魔法は部屋全体に放出するものであり、それを防ぐ為には全体を守らねばならない為に普段より多く消耗をする。


「先に本体を見つけて決着をつけるか、こっちが消耗しからかの勝負。みたいだね」


「その通りだが、この手をうつってことは相当隠密に自信があるようだ。油断せずに気張って探すぞ。オレは上に行く、二代目。テメェは下から探せ。効率的に潰していくぞ」


「了解、じゃあ行きますか!」


 二人はフロアを分けて虱潰しに探しに出る。

 ホテルは全5階。

 3から5のフロアはグリーンアサルト。

 1から3のフロアはゴールドラッシュ。

 最上段と最下段から捜索を開始。3階まで辿り着いた場合には情報を共有して見逃したところがないか、お互いの階層を再度探索する方向性にまとめた。


 通信魔法を使わずに3階で共有する理由は不意打ちへの対処だ。話に気を取られて不意を突かれては元も子もない。同じ場所で見つめあっていれば死角を潰せる事ができ、『スパーク』からの襲撃は避ける事ができる。


「さてと、どっから探しますかね、っと!いきなり襲ってくるとか...殺気立ってるな。タイムアップ前にみつけないとな」


 一階のフロアを回るにあたっては床下からの触手は無かった。基本的に天井、稀に窓。床下に潜んでいる線は無いと考えていいだろう。


(それに現在進行形で上からも放電の音が鳴っている。幾らなんでもそこまで伸ばすことはできねーだろ)


 付け加えるなら触手を引っ張ると光の泡沫となって消え去る。身体から切り離すと触手は無くなると考えていいだろう。


(触手だけ置き去ってこの場からは去れない。だから確実にホテルのどこかにいるはずだ。窓から出ることもあるし外側に張り付いている線もあるのか?)


 窓ガラスに気をつけて身を乗り出し、四方から外を覗くが本体は見当たらない。


(...あとはなんだ...。どこか見落としている場所がある気がする)


 その後、触手の電撃を受け流しながら3階へと辿り着いた。


 

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