グリーンアサルト
『私だよ、私』
日課である夜の巡回を行なっていると久方振りに友である魔法少女から通信魔法により、脳内に直接語りかけてきた。
「その声はブルーレインか、久しぶりだな」
『そ、ブルーレインだよ。ちょっと厄介な怪人が現れて手伝ってもらいたいんだけど良いかな』
ブルーレインは同時期に魔法少女をはじめた戦友でもある。彼女は経験豊富であり、修羅場を潜ってきた手練れだ。並大抵の怪人であれば要請をせずとも屠れるのだが。
「それは構わないが...今はちょっと取り込み中でなぁ!」
魔法少女グリーンアサルト。
迷彩柄の軍服を着用しており、関節部にはプロテクターが装着され見た目は完全に軍人だ。黒髪のショートに獲物を付け狙う鋭い双眸。頬には緑のペイントが描かれている。
肉体はかなり小柄で150cmあれば上々だろう。
遠目から見れば可愛く見えるだろうが、襲われている怪人は恐れ慄いていた。
(な、なんなんだこいつは...ガキとはおもえねぇ)
殺気だ。
怪人が思わず後退してしまうほどに恐ろしい殺気。
ギザギザの歯が見えるほどに口角を上げて興奮気味に嗤う。
「ククク...ハハハ!!!この俺から逃げられると思っているのかよ!!」
ッダン!と勢いよく一歩目を踏み出し、低姿勢のまま突進をする。右手にはサバイバルナイフ、左手にはハンドガンを携えて突っ込んでくる少女に怪人は踵を返して逃亡を始める。
「逃すかぁぁぁぁ!」
風を切り裂く音を置き去りにナイフが投擲される。
「っぐぁぁぁ!」
音が鳴る頃には肩にナイフが刺さっており、痛みに絶叫をする。
「終わりだな」
地面に這いつくばって痛みに悶えてる間にグリーンアサルトは眼前まで迫っていた。慌てて突き刺されたナイフを抜き、血に塗れたナイフを投擲するが、それを片手で容易くキャッチをした。
「無駄、無駄。さて、反抗心が消えないようなら少々灸を据えねば浄化はできないなぁ!」
「オラァァァ!」
問答無用で殴りかかる怪人の腕を捕まえて片腕を完全に捕縛する。そのまま内側へと入り込み、重心を崩すように背負い投げた。
「あらよっと!」
「ぬぉぉぉ!」
激しい落下音と共にアスファルトの地面に背中からめり込んだ。そのまま片脚で肩を押さえ込み、ハンドガンで四肢を撃ち抜いて沈黙させた。
「さてと、後は浄化するだけだ。話は聞いてやるよブルーレイン。世界を救うには手と手を取り合う事が大切だ」
更新遅れてしまい申し訳ありません。
破傷風のワクチンで副反応が出てしまったのと県外に出かけていたので書いている時間がありませんでした。
本日から通常通りに毎日更新させて頂きますのでよろしくお願いします。