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魔法少女:Record Blue Imagine   作者: 誰何まんじゅう
First:その身体に潜むもの:蒼き慟哭
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夜を駆ける

 月明かりに照らされたビルの道を飛びながら目的の場所へと向かう。

 魔法少女は一般人に直接干渉しにいかなければ認識阻害によって見られる心配はない。なのであからさまに目立ちそうなビルの上を走り抜けても指摘されないのだ。


「どこに向かってるんだ」


「今回の目的は巡回しつつ、ターゲットを捕えて浄化すること。君を追いかける前から狙っていた怪人がいてね、大凡の検討はついているから今夜決着をつける」


 怪人の捜索はある程度当たりをつけてから行動を行う。全く計画性なく行動をしていると基本的に会うことはない。怪人は基本的に魔法少女との交戦を避けて行動をする。魔力の探知を用いて敵と味方の判別ができるためだ。

 魔法少女に変身をしていなければ探知には引っかからないが、無防備で対面することになる。それ故に素早さに長けた怪人に一撃で屠られる事もあるので変身せずに接敵は危険だ。

 なので計画的に追い詰める、もしくは怪人の行動ルーティンを把握した上での強襲が最適だ。

 怪人は己の欲に抗えない。幹部クラスにもなれば別だが、通常で有れば欲を抑えきれずに近場で行動をする。昼間は我慢し続けて、夜の帷が降りた瞬間に即行動を始めるのだ。一日で欲にまみれて復讐、嫉妬、強奪、性欲、殺人と元の人間によって異なるが満たす為に人気のない所に潜み、襲いかかる。どれだけ渇いていても人目を避けることは徹底しており、運悪く訪れた人間が餌となるのだ。


 なので、怪人は何処で何を目的として人を襲うか。それがわからなくては浄化することが叶わない。偶発的にその場面に出会うことも時々あるが、目の届かぬ所で起きた際には情報を集めて怪人を追い詰めるしかないのだ。


「今回の相手は快楽殺人の怪人ね。殺人が起きた場所には大きな羽が無数に落ちていたから鳥の姿をしているはず」


「鳥...夜は苦手そうですね」


「残念ながらそんなことはないわ。鳥目とは言うけれど、夜行性のモノみたいね」


「なら明るいとこにいるってわけでもないな」


「そ。まあ、今回狙う奴は他に比べて理性がある。だから私も索敵に少し時間がかかっちゃってね」


「理性?」


「君が怪人だった時と一緒。合理的に動いて、自分の欲を満たしている。普通は抗えずに近場で暴れて直ぐに浄化って流れだけど、理性が高い奴はそうはいかないの。魔法少女の索敵から逃れつつ、自分のやり易い場所で欲を満たして直ぐ退散。だから簡単には浄化できないのよ」


 理性があり、魔法少女から避け続ける怪人程厄介な存在はいない。スカルヘッドであった幹人は魔法少女を避けるというアクションを取らなかった為に早い段階で対峙することができた。

 今回は逃げる事を常に念頭に置いている相手なのでそれ相応の立ち回りが必要なのだ。


「次の狙い目は間違ってはいないはず。逃げ場を無くすように挟み撃ちで行くから、指示通りによろしくね」


「了解!」


 新生ゴールドラッシュ初の怪人退治が今、始まろうとしていた。


 

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