表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/49

9 貴族って偉い生き物なんですか?

「それで、話は戻るのだけれど、私たちがここを訪れていたのはとある薬草を採取するためだったんだ。知っての通り、この大森林にはここにしかない貴重な薬草がいくつもあるからね。


先日、私の領地に陛下が視察と称して遊びに来た時のことだ。国王が来るということで警備を強化していたのだけれど、警備の隙をついて魔物の襲撃にあってしまったんだよ。


その時に、陛下は魔物の毒を受けてしまってね。調べたところ、その毒に有効な薬はこの森でしか採取できないものだと分かったんだよ。


流石に、私にも責任があるから、自ら志願してこの森で目的の薬草を採取することには成功したんだよ。


採取できたのは良かったんだけどね、強力な魔物に襲われてしまい、全滅しそうなところで君に助けられたわけさ。」


「なるほど、こんな大森林に来ていたのはそんな理由があったのですね。貴重な素材を欲しがったおバカな貴族が兵士たちを率いて自殺でもしに来ていたのかと思いましたよ。」


ミラナリアはかれが公爵と知っているにも関わらず、辛辣な言葉を投げかける。もはや相手が同じ平民であってもなかなか掛けられない言葉だ。


「君、本当にあのメロロ王国から来た人間なのかい?そんな言い方をすればあの国ではすぐに殺されていたのではないかい?」


公爵自身は彼女の言葉遣いを気にはしていないがメロロ王国は平民の人権がないことを知っていたため、そこからやってきた彼女がこのような言葉づかいで驚いていたのだ。


「あの国にいたころは一日中しゃべらないことなんてよくあったので問題ありませんでした。私にも色々あって貴族だろうと気にせずに生きていこうと決めたんです。最悪、殺されそうになったらこの森にでも逃げ込んで余生を過ごせばいいだけの話ですしね。」


前世の記憶を思い出したミラナリアは貴族と言われても特に偉いものだと思えなかったのだ。そのため、わざわざ下手に出る必要がないと考えていたのだ。


最悪、彼女には結界の力があるため、どの国も追いかけてこないこの大森林でスローライフを送るのもアリだと考えていた。


「確かに、君ほどの力があればこの森で生活をするなんて簡単なうえに、追っ手は森の中まで追いかけてきても先ほどの私たちのように魔物が邪魔をしてくれるというわけか。」


「そういうわけです、この結界はどれだけの時間、張っていても疲れることがないですので問題もありませんよ。」


「それは強力だね。まぁ、私は基本的に貴族だの身分は気にしないし、うちの国もメロロ王国のようなヤバい国ではないから過ごしやすいと思うよ。


できれば、すこ~しだけ、やさしい言い方をしてくれれば他の貴族達にも何も文句は言われないと思うよ。」


いくら言葉遣いを気にしない貴族がサクラ王国に多いと言っても中には気にする者もいるだろう。そんな彼らともめ事を起こさないように、公爵はアドバイスをするのであった。


「その点に関してはできるだけ気をつけます。それで、王様が倒れてしまった経緯はよく分かりましたが、私に何をしてほしいのですか?」


「そこで、今回の相談なんだ。いくら陛下を治療するための薬を用意して無事に回復したとしても陛下が魔物に襲われた事実は変わらないからね。私も今回の件で何か再発防止に努めなければならないんだよ。


話を聞くところによれば、君は国一体に魔物の侵入を拒む結界を張ることができるのだろう?それならばその力を使って我が国を結界で覆ってもらえれば助かるのだけれど、どうかな?」


公爵が提案してきたお願いとはミラナリアがメロロ王国で行ってきた仕事と変わらないものだった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ