48 結婚しよう!
「まぁ、良いです。これから陛下にはたくさん働いてもらうことになりますからね。」
「えっ?」
「おや、何かいいアイデアがあるんですか?どうせいつもの様に公爵様だけが仕事を任されるっていう落ちなんじゃないですか?」
しかし、今回ばかりは公爵にだって秘策がある。いや、秘策というよりも腹をくくったというべきかもしれない。
「ミラナリア、最後に確認しますが、本当に私と婚約者でいいんですか?婚約者ということは将来は私と結婚するということになるんですよ。」
そんな公爵の発言にミラナリアは大したことはないというような表情で答える。
「はい、問題ありませんよ。公爵様が私をもらってくれれば私は一生ぐ~たらな生活を送れますからね。いつでも結婚してくれてもいいですよ。あ・な・た♪」
ミラナリアの動機は不純だが、ミラナリアは今でも公爵の婚約者でも良いようだ。そんな質問を公爵がしたのはあわよくばミラナリアとの婚約を破棄したいと考えていたからではない。むしろその逆と言ってもいい。
「そうか、ミラナリア、結婚しよう!」
「はい?」
「えっ?」
それは突然の公爵の告白と言ってもいい内容だった。そんな突然の出来事にミラナリアも国王も疑問を浮かべている。
「だから、結婚しよう今すぐに。私達の関係が婚約者なのはもう終わりだ。正式に夫婦になろう!」
普段では公爵は絶対にやらないようなことだがミラナリアの手を握り、告白をする。そんな突然の行動にミラナリアでさえも不意を突かれてしまいあたふたしている。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。そ、そんないきなり。少し考えさせてくださいよ。」
「いいや、今すぐに結婚してくれ!私は今すぐに結婚したいんだ。」
ミラナリアは普段は攻める側であったため、こんな不意打ちを受けたことがなかった。そんな彼女は不意にも公爵の行動にときめいてしまったのだ。
自分でも気が付いていないが、公爵と国王の目には顔を真っ赤にさせて照れくさそうにしているミラナリアがいる。
「は、はい。そのよろしくお願いいたします。」
ミラナリアが公爵の告白にyesを出した瞬間、国王はぱちぱちと手を叩き、二人を称賛する。
「いやぁ~、良かったな。おめでとう、まさか公爵の方から告白をするなんてな。本当におめでとう!」
「ありがとうございます、王様。」
「なんだ、顔が真っ赤だぞ。お前もそんな顔をすることがあるんだな。」
「か、からかわないでください!」
国王がミラナリアをいじるとそこには照れくさそうにしている彼女がいるのだった。
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