41 殺害予告
ミラナリアの元へやってきた公爵はミラナリアの前に立ち、今にも爆発しそうな皇子を発見する。先ほどまでは住人たちの輪の中心にミラナリアがいたため、何か軽い問題を起こしたと思っていたが、今にも爆発しそうな人間を確認すると顔を青くしている。
「あ、あなたはヘーゲ帝国のシュバイン皇子!ま、まさかミラナリアがまた何かをやらかしたのですか!」
「何で私が問題を起こす前提何ですか!そこは訂正してくださいよ。」
公爵のミラナリアが問題を起こした前提の発言にミラナリアは断固抗議をするが、公爵には目の前の皇子の方が最優先なのだ。
「ミラナリアはちょっと黙っていてください!皇子、本当に申し訳ございません、このものには強く言い聞かせておきますのでどうか、今回はご容赦頂けないでしょうか。本当に申し訳ございません。」
公爵は必死に頭を下げ、皇子の怒りを鎮めようとしている。本来であれば、ここまで頭を下げられれば相手もそれなりの対応をするものだが、皇子は既にそのラインをぶっちぎりで超えてしまっていた。
「誰か知らないが、僕の邪魔をするな!こいつが僕の邪魔をしていたのが問題なのだ!そのうえ、こいつは僕を侮辱したんだぞ!許せん!どけ!」
「あなた一体何をしでかしたんですか、早くあなたも誤って下さい!」
あまりの皇子の怒りように公爵は早く止めないといけないと思い、ミラナリアにも頭を下げるように言うが、ミラナリアが自分に非がないのに頭を下げるわけがない。むしろ、ミラナリアはこの状況をさらにややこしくする爆弾を注ぎ込むのだった。
「嫌ですよ、そもそもの原因はこの人が順番を無理やり抜かそうとしたっていうくだらない理由で、私はただ並んでいただけなんですから。それよりも、良いんですか?
この人、この国の国王の殺害予告をしていましたよ。あと、公爵様の殺害予告もしていましたね、どうやらあなた達の首を私の前に並べるみたいです。」
「えっ、国王陛下と私の殺害予告?それは一体どういうことだ!」
先ほどまではペコペコと低い姿勢で頭を下げるだけの公爵だったが、ミラナリアの発言を聞き、急に態度は急変し、皇子をにらみつける。
彼にとってはこの問題の始まりが列の順を抜かしたということよりも国王の殺害予告の方が重要だったのだ。
先ほどまではペコペコしていた公爵が豹変したため、先ほどまでは起こっていた皇子でさえも一瞬にして冷静さを取り戻すのであった。
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