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4 ただ働きは嫌ですから!

素通りすると言ってもすぐ近くで戦闘が行われているのであればそちらに目が行くのは当然だった。いま、ミラナリアは貴族一行と向かい合っている魔物たちのすぐ後ろを素通りしている。


貴族一行の方に目を向けると魔物たちによって攻撃を受けたのか、かなりの人数が意識を失い、倒れ込んでいた。


「あ~ぁ、兵士の人たちかわいそうに、馬鹿な貴族に突き合わされるのはどの国も一緒なのかな?」


ミラナリア大変だなと思いつつも、彼らを助けるのは面倒だったためそのまま進んでいると当然魔物たちに襲われることになる。



いくら貴族一行と戦闘中と言っても彼らは野生で生きている魔物なのだ。そんな彼らのすぐ後ろを通過する彼女に気づかないわけがない。


しかし、ミラナリアには結界の力がある。襲い掛かる魔物たちを気にも留めず、その場を去ろうとするのだった。


「お、おい、ちょっと待ってくれ!」


すると、今にも全滅しそうな貴族一行をスルーして魔物たちの後ろを素通りしていこうとするミラナリアの異常行動に待ったをかけるものが貴族一行の中から現れる。


彼らからすれば当然の反応だろう。自分たちが死の危険に晒されているというのに平然と自分たちの存在を無視して立ち去ろうとするのだから。


「はぁ~、なんですか?私はあなた達に用はないので先を急ぎたいのですが?」


「いや、いや、君はこの凶悪な魔物に対抗するすべがあるではないか!その力で私たちを助けてくれ!」


兵士たちのリーダーと思われる人間がミラナリアに助けを求めるが、彼女からすれば関係ないことなのだ。というか、一度助けてしまえば最後まで面倒を見ることになってしまうだろう。それが一番、面倒だった。


「えっ、ふつうに嫌ですけど?じゃあ、それでは。」


しれっと、この場を去ろうとするミラナリアを理解できなかったのだろう。予想外の彼女の行動に彼は驚きを隠せないでいた。


「ま、待ってくれ!どうしてだ、なぜ助けてくれない。」


「私、この力は自分のために使うと決めたんです。あなた達を助けても特にメリットがないので助けるのは遠慮しておきます。それでは。」


「いや、すぐに帰ろうとしないでくれよ!金か?金を払えば助けてくれるのか?」


その言葉にこの場を去ろうとしていたミラナリアの動きは止まる。一文無しの彼女にはこれから生活していくうえでお金が必要不可欠なのだ。


「お金を払ってくれるのであれば助けてもいいですけど、あなたは見るからに兵士ですよね?そんなあなたが払える額では貰っても、貰わなくても一緒なので今回はご縁がなかったということで。」


面倒臭さとお金を天秤にかけた所、前者が勝ってしまったミラナリアは再度この場を去ろうとするが、今度は別の人間に止められてしまう。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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