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19 人の不幸は蜜の味

「いや、ふつうに無理でしょ。ないわ~、自分で言ってて恥ずかしくないのかな?」


メロロ王国からサクラ王国に親善会談の話が上がったのはメロロ王国で国王が演説を行った三日後だった。


サクラ王国に届いた書簡にはこれからの二国間の未来を話し合おうということが書かれていたが、その本意はミラナリアは我が国の国王の婚約者であるため、サクラ王国で保護するべきでなく、メロロ王国で保護するべきだということだった。


それを見たサクラ王国の国王は事前にミラナリアからメロロ王国での話を聞いていたため、彼女の力を知ったメロロ王国が彼女を利用するために今回の話を持ってきたと考えていた。


しかしながら、これは国からの正式な書類であるため、ミラナリアに直接確認をとる必要があった。その結果が冒頭の通りである。


「私もそう思ったのだが、確認しないわけにはいかないからな。まぁ、ミラナリアの答えなど分かっていたから確認のためだ。」


「国家間のやり取りというのは大変なのですね。」


「それは本当にそう思うよ。だが、ミラナリアの答えがどちらにしろ、あの国の奴らがやってくるからなぁ~。はぁ、仕事を増やすなよ。」


国王はメロロ王国の使節一行が訪問することにより、仕事が増えるので嫌気がさしていた。


「それって断れないのですか?あの国が本当の意味の親善会談なんて行うわけがないじゃないですか。」


「それはその通りなんだけどな、さすがに親善会談と言われてしまえば断われないんだよ。特に理由もなく断ってしまえば敵対の意志があるのではないかと勘繰られてしまうからね。」


「面倒臭いんですね。」


ミラナリアは他人事のように国王に気の毒な目を向ける。


「それで、彼らが訪問する時に悪いんだけど、ミラナリアも一緒に参加してくれないかい?君がいない場で私たちが何を言っても彼らが信じるわけがないからね。もちろん、君に危害を加えないように、最大限の警備を約束しよう。」


国王としてはミラナリアが会談に参加することが一番スムーズに話が進むため、どうにか彼女に参加してほしいようだった。


「いつもなら面倒臭いで参加する気はないのですけどね、私もあの国にはうんざりです。今回ばかりはバサッと切り捨ててやりますよ。別に口で煽るくらいならいいですよね?向こうが手を出して来たらこちらに大義名分がありますよね?」


他人事であったはずのミラナリアであったが急に彼女も関係者になってしまったのだ。だが、彼女はそれでもよかったのだ。


ミラナリアは今まで溜まっていたフラストレーションを開放することが出来るとワクワクした眼差しで国王に許可を求めている。


「まぁ、ほどほどにしておいてくれよ。あんな国だって国の一つなんだから、親善会談で流血沙汰とかマズいし。」


「ありがとうございます!ほどほどに煽り倒してやります!」


この時のミラナリアの笑顔は国王が見てきた中で一番の笑顔であった。そんな彼女を見て不安しか抱かない国王であった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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