お仕事4
「お疲れさま。 はい、これ、タオルと飲み物!」
助けてくれたお礼にタオルと水を持ってヒロインが体育終わりに来てくれるシーンです。
今こうしてみると私大胆なことしてたんですね…、この気持ちをそのまま声に乗せて…
「この間のお礼…、受け取って。 はい、この間はありがと…」
恥ずかしさと感謝を織り交ぜ、演技を続ける。
「ねぇ、君はどんな髪型が好き? え~、いいじゃん教えてよ」
誰かにもっとこうした方がいいなんて言われたのは初めてでした。
もちろん初めは戸惑いもありました、でも私を見ていてくれる、それが少し嬉しくて覚悟を決めて髪型を変えました。
本当は顔が見えるような髪型は恥ずかしいです、でもどうしてか勇気がでました。
「そっか…ううん、何でもない。 教えてくれてありがと、今度してみるから感想言ってくれたら嬉しいかも」
思い出を振り返るように、でも台本として…音声作品としてのヒロインの魅力はこの推し引きだと私は思いました。
だから元気な部分と恥ずかしさを感じた時の一歩引いた演技を織り交ぜて…
「ねぇ、このあと暇だったら一緒に帰らない?」
体育で授業が終わりの日という設定でそのまま一緒に帰る。
私が初めて颯太君と一緒に帰ったのは…中谷さんと一悶着あって階段で捻挫した時でしょうか?
あの時私は心配で駅から学校まで戻ってきてくれた颯太君に『放っておいてください』と言いました。
最低ですね…。普通ならあの時に颯太君との関係は終わっていても不思議じゃありませんでした。
「ほら早く!! 帰ろ
……
…
「じゃあまた明日! 学校でね」
第一話、二十分ぐらいでしょうか。
一先ず区切りのいいところまでは終わりました。
あと三話分です。
颯太君目線で私がどう思っていたと思われていたのか、颯太君が感じていたこともなんとなく伝わってきました。
実は颯太君は…、いえ、それは流石に勘違いでしょうか、そんな都合のいいことはありませんよね…。
*
一度準備を整え直して次に移ります。
「はぁぁぁ…、ふぅぅぅー」
次は『仲を深める』をテーマにしているみたいです。
というかお互いを知ったら仲良くなるが次にくるのは普通ですね。
第二話『特別』
「ねぇ、お昼一緒にどうかな?」
そういえば野外活動で初めて颯太君と一緒に食べました。
藤井君達と食べると思って勝手に離れた私を追いかけてくれたのは本当に嬉しかったのを思い出しました。
そうですね、あの時の気持ちを…
「ねぇねぇ、君のそのおかずくれない? 代わりにこれあげるから、ね?」
確か私颯太君がおかずをすべて食べてしまって、ご飯が残って、私は唐揚げはそんなに好きではなかったのであげたんです。
その時に確か…
「はい、あ~ん。 は~や~く、こうしてるのも恥ずかしいの…」
そうそう、私のお箸で唐揚げを颯太君の弁当に入れて…すごく恥ずかしかったんです。
それからも時々弁当のおかずを交換したり…、ずっと友達としてみたかったことをいっぱいして仲良くなりました。
…
「ねぇ、この間、私告白されたの…」
これは教室で男のに呼び出されて、困っている時に颯太君が助けてくれたんです。
どうして呼び出されたかわからない私に颯太君が告白だって教えてくれたのは懐かしいですね。
それから…
「あれ気になる? えへへ、もちろん断ったよ…だって君がいるから」
確かあの後、私が家の鍵をわすれて帰れなくて、教室に戻るのも気まずくて。前から行ってみたかったカフェに颯太君と二人で行きました。
お昼休みとは違って周りに他のクラスメイトは居ないなかで二人でいっぱい話して。
この間の時も先輩に呼び出された私を助けてくれたのは颯太君でした。
「ううん、何も言ってない、言ってない…」
今思えばあの頃からでした。
私の中で颯太君への意識が友達から変わったのは…。
怖くて、動けなくて、助けてほしい時に颯太君は来てくれました。
それも私を守るように間に入って、体を張って守ってくれて。
ーーあんなカッコいいところみたら好きにならないほうがおかしいです。
最近、表現力が足らず悔しいです(*- -)(*_ _)ペコリ




