テストとセリフ1
テスト前日の、今は…二十六時。
俺の家で稲葉さんと勉強してから数日、テストがやって来た。
昼に稲葉さんにノートを見せてもらったり、放課後教えてもらったりして何とか乗り切ることが出来そうなくらいには勉強した。
ハズなんだけど…、結局今一夜漬けで詰め込んでいる。
「あぁ、え~、んー」
分からない…。
うーん……。
ーーうん休憩しよ。
分からないものはわからないし、別に百点を目指しているわけではない。
前回は真ん中ぐらいだし、この問題が解けたから上に行けるわけでもないし…。
「台本完成させないと」
近々病院に行くし、もう痛くないからその時にはこれは取れると思う。
それに最近は慣れてきて、短い時間ならタイピングすることも可能になった。
「えと…」
頭の中でストーリーを組み立て、設定と合わせながらヒロイン…ーー結ちゃんに呼んでもらうセリフを書いていく。
今回はストーリー重視の台本で書いている。
…というか中学の時に書いていた物の影響でストーリー重視のものしか書くことができないと言った方が近かったりする。
「…」
んー、ヒロインの気持ちが分からなくなった。
どう書いていいか、この時このヒロインがなんて言うか…。
「寝よ」
勉強も台本も行き詰った俺は、音声作品を聞きながら寝ることにした。
*
「おはよう、颯太。 一夜漬けか?」
「そんなとこだけど…、途中で勉強辞めたから今必死に覚えてる」
計算系の問題はそこそこ解ける気がするんだけど、単語がやばい…。
「俺はよゆーー」
「もしかしなくてもそんなに勉強してない?」
「バレた!」
前回も確かそんなに順位も良くなかったはず。
まぁ、将は器用に生きるタイプだし、何とかなるんだろう。
「おはよう、颯太君」
「よっ司。 司は余裕そうだな」
「そんなことないよ」
こっちも前回同様いい順位を取るんだろうなー。
「ふぅぅ、あと十分か…」
ある程度、覚えたつもりだけどテストしたら覚えてないんだろうなー、はぁ…。
「あ」
教室のドアが開いて、見慣れた人影が入って来た。
「えへ」
その人影は教室に入ってそうそう、俺に小さく手を振ってくれた。
「おはようございます」
「おはよう、紬」
「「!!」」
そのまま必死に勉強する俺のところまできて挨拶してくれた。
あの日一緒に勉強してから距離が近づいた気がする。
「えと、藤井君と村田君も…おはようございます」
「「お、おはよう」」
二人はびっくりして放心状態、俺も紬のこんな積極的にみんなと話そうとする態度にびっくりしている。
ちなみに紬呼びには慣れた…他人が居るとちょっとだけ恥ずかしくて稲葉さんにもどる時はあるけど。
「颯太君テストどうですか?」
「単語がやばくて」
稲葉さんは変わろうとしている?
いつもよりも周りに明るくふるまう姿は俺の目にはそう映った。
ブックマーク、評価よろしくおねがいします(*- -)(*_ _)ペコリ
今月中には完結すると思います、どうかそれまでお付き合いください




