テスト(side稲葉さん)3
心配していた颯太君の怪我も、颯太君が病院に行ったので一先ず安心しました。
けど、おかげで残されて頼れる人がいないので少し不安でした。
それでも先生がお母さんに電話してくれて、来てくれたので何とかなりましたけど。
さっきの男性は颯太君に怪我をさせたことと、私を危険にあわせたことで停学になるそうです。
…一先ずは安心です。
「…あの」
「稲葉さん…?」
私はどうしても颯太君の怪我の調子を聞きたくて。
でも電話番号も分からないんです。
だから…
「颯太君の電話番号教えてください」
「え?! お、おう」
私は怖がらず、みんなと話せるようになっていれば、今日こんなことにはならなかったでしょう…。
そう思って勇気をだして、藤井君、颯太君といつも一緒にいる藤井君なら電話番号知っていると思って話しかけてみました。
「颯太の? 二人って交換してなかったの?」
「はい…」
中学校の友達とは電話を聞くほどの仲の子はいなかったので…その、そういう発想にならなくて…。
「その他の連絡先は本人に聞くので、お願いできますか?」
「…も、もちろん、颯太も喜ぶだろ」
思い切って藤井君に声をかけたんですけど、ビックリされていまいました。
颯太君と話す時に近くにいたときもあったんですけど、どうしても直接話せなくて…。
「はいこれ」
スマホの画面にだして、私の方に向けて見せてくれた番号をメモして…。
「ありがとうございます」
「いや…まぁ今日は不幸だったけど、俺も颯太もいるから…。 じゃあな」
上手く言葉がまとまらなかったようです。
でも伝えたいことはわかり、心が温かくなりました。
ーー私、普通に話せる?
「ほら、紬帰ろ。 いい友達に恵まれてるようで安心したわ」
「そ、そうかな?」えへ
*
やっぱり家は落ち着きます、なんというか安心できる場所…。
のはずなんですけど、今心臓がバクバクとうるさくて…。
「颯太君、電話に出てくれるでしょうか」
やっぱり勝手に電話番号を聞いたことをおこるでしょうか?
いえ、それよりも手は大丈夫でしょうか?
……
…
「すぅぅ、はぁぁ…よし」
お母さん以外に電話するのは久しぶりで、それも颯太君は何故か特別緊張します。
覚悟を決めるのに時間がかかってしまいました。
…出ない、やっぱり知らない番号だとでないでしょうか…
『はい…ーー
「あ!! そ、颯太君?」
出てくれました、嬉しさのあまり名乗るのを忘れてしまいました。
『稲葉さん!? どうして』
「あ、その急にごめんなさい」
声だけで分かってくれたことに胸の高鳴りを感じつつ、元気そうな声に安心しました。
『それは大丈夫だけど…、どうして電話番号わかったの?』
「ごめんなさい、勝手に。 藤井君に聞きました」
怒るでしょうか…
『何かよう? あの後大丈夫だった?』
…ほぉ、良かった。
やっぱり颯太君は優しいです。
「はい、ホントにおかげさまで。 その、颯太君にどうしてもお礼が言いたくて」
『気にしないで、俺が勝手にしたことだし』
電話での颯太君との会話は新鮮さと相まって、その後いつもよりも楽しく、長く話してしまいました。
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