テスト(side稲葉さん)1
前のテストの後ぐらいからでしょうか…。
私が声優を辞めると言ったあたりからかもしれません。
それは考えすぎかもしれませんけど…。
颯太君の様子が変です。
どこかしんどそうでお昼に話しかけても、上の空の日があります。
最近は貸した本のスピードも落ちていますし、本の心配はしてないんですけど…もっといっぱいお話したいです。
「……zz」
今日の授業も颯太君は寝ていて、本当にどうしたんでしょうか…。
最近は授業のノートを取りながら先生の話を聞き、時々颯太君の方を見て心配をする毎日です。
「颯太君、大丈夫ですか?」
「うん……あ、稲葉さん」
授業も終わり、お昼の時間になったので声をかけに行きました。
「お昼食べませんか?」
「あ~、ごめん今日はやめとくよ…」
「そうですか…」しゅん…
最近は断られる日も増えてきました。
颯太君は断った後は寝ているので、嫌われたわけではないと思うんですけど…。
「はぁ…」
席に戻って一人でお弁当を食べるのは仕方ないんですけど…やっぱり寂しく感じてしまいます。
「ねぇねぇ、稲葉ちゃん、あれから颯太くんとはどう?」
「…」?
委員長が来てくれました。
私が暇そうにしてると来てくれて話してくれる数少ない友達の一人です。
「だから、颯太くんと上手く行ってる?」
「最近は一緒にお昼を食べることも減って…」
「もしかして、もう二人って付き合ってる?」
「そ、そんな! お友達です」
「だよねー、でも好きだよね?」
「好き? 経験ないので分からないですけど…考えたことないです」
「じゃぁさ、颯太君に彼女が出来たらどう?」
「ん…?」コクり
颯太君に彼女、よくわからないモヤモヤはありますけど…祝福したいとは思います。
「んー、じゃあ他の女の子と昼に二人で食べてたら?」
「それは…悲しいです」
今日も颯太君が他の子と食べて放っておかれると辛いと思いました。
「稲葉ちゃんは純粋だから、まだ分からないか」
「はぁ…?」
よくわからないですけど…満足したように帰っていきました。
お昼を一緒に食べてくれても…なんて期待してたんですけど、食堂みたいです。
颯太君のことをどう思うか…。
何かあったら助けてくれて…、私の声も好きだって言ってくれるし、話してると楽しいです…。
それって好きなんでしょうか?
*
「ねぇ君ちょっと今時間ある?」
「…」
「そこの君だって」
もしかして呼ばれてるのは私でしょうか?
「…」?
「やっとこっち向いた。 ちょっと来てくれない?」
授業終わり、片づけをしてチラホラ帰っていく生徒もいる時間。
多分一年生って感じではないので先輩だと思うんですけど…。
私なにかしたでしょうか?
「…」きょろきょろ
颯太君!!
助けてほしくて見るも授業後の挨拶のあともう一度眠りについています。
「ちょっと、話して終わるからさ」
ここまで来ると、クラスの人の注目を集めています。
「う…」ぷるぷる
高校にはいってから呼ばれることが多くて怖いです。
下駄箱に手紙が入っていたのも怖くて読めませんし…。
「屋上前のところ。 ちゅっとだけ来てくれない?」
稲葉さん視点です。
あと数話してから、颯太の視点に戻ります。
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