テスト4
「お邪魔します」
ドアの鍵を開けて稲葉さんを招き入れる。
しっかりと鍵を閉め、振り返ると…
「ほぉわ」わくわく
口からも感情が漏れ出た稲葉さんがキョロキョロと家をみている。
「稲葉さん大丈夫?」
「は! ごめんなさい、ジロジロ見て…」
おもちゃを与えられた子供のように楽しそうだ。
俺が言うのもなんだけど勉強に集中できるのかな?
「大丈夫、そこ入ってすぐがトイレね。
そこの扉がリビングだから…座ってて」
母さんにい今日友達が来ると言うと、ニヤニヤしながらお茶とお菓子の準備をしてくれた。
怪我をした理由も言ってるし、多分バレてるけど…別にやましいことするわけじゃないし。
「お茶でよかった?」
「…」コク「ありがとうございます」
「エアコンつけるけど、寒かったら言ってね」
エアコンをつけてもいいと言われてるからこの季節から付けてても怒られることはない。
行く前に着けていけばよかったな。
「何から何まで、ごめんなさい」
「勉強を教えてもらうんだし」
「はい、頑張りますね」えへ
こんな可愛い子と二人で勉強しているなんて嘘のよう。
だけど、浮かれていたら本当に大変なことになりそうだし…やるしかない。
「じゃぁ、教科書取ってくる」
「…」コク
今では少なくなった懐かしい頷きに見送られ部屋に戻った。
別に家も自分の部屋も散らかっているといことはなく、家に帰ってからは音声作品を聞くか、学校の課題をするか、アニメみるかの生活だったし。
机の本棚から使う予定の教科書を抜き取り、筆箱と持ってリビングにもどる。
「ごめんごめん」
「はい、それでは始めますね」
戻るともう教科書をカバンから取り出しし準備はできているみたい。
さっきまでの浮かれている様子はなく、もう集中に入りかけている。
「すぅぅー…はぁ…」
俺も深呼吸で落ち着こう、それから集中して頑張ろうと思った…。
いつもの家の匂いとは違ういい匂い…、落ち着く、前に稲葉さんの部屋で匂った…。
…これ、今日一日体がもつだろうか、主に心臓が…。
この匂いにリラックスできているし、集中できそうではあるんだけど。
「…」ゴクゴクっ…
稲葉さんがお茶を飲む動作にドキリとした。
変なことを考えているのがバレたのかと思って焦った。
「颯太君、これわざとお茶常温にしてますか?」
「うん…前にその方がいいって」
「ありがとうございます」えへ
確か前に学校の購買でそんな話をした。
「それってもしかして、喉に気を使って?」
「はい…もうやめるので、気にしないでもいいかもしれないですけどね」
絶対にやめさせない。
なんとしてでも前よりも人気にして、声優を続けても貰いたい。
ーー声優を辞めるという話でこんなに無理に作った笑顔をみせられ、改めて思った。
…軽はずみな発言でもこんなにも影響が出てしまうことがあると。
俺はどうしてあの時、真っ向から戦うという選択肢を選ばせてしまったのか…。
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