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名前3

 告白なら別に何かされることはない。

ーーそうだとしても気づいた時には体は勝手に動いていた。

「おい颯太! 待てって…クソ。 屋上前だって……」

 最後まで聞き取ることなく、走る。

 何も考えずに体が動いていたけど、将に助けられた。

 確かにどこにいるかも分からなかった。最悪校内を探し回ることになるだろう。

…将が昼に建てたフラグな気もするけど、だからと言って稲葉さんは悪くない。

「はぁ…はぁ…」

 屋上前、つまり屋上に入る扉のところだと思う。

 なんでそこを選んだのかは分からないけど、場所は一か所しかない。

 少し遠いけど、その分走れば遅れた時間を取り戻せる。

「なんか話せよ……なぁ…」

 男の声が階段を反響している。

「じゃあほら連絡先だけでもさ…なぁ!」

 徐々に男の声が荒らげられるのがわかった。

 多分稲葉さんは恐怖か何かで話してない、それに腹を立てているんだと思う。

 階段が長い、それでも少しずつ確実に声は近くなってきている。

「いつまで無視してんだよ!」

「ひゃ!」

 ついに痺れを切らした男が稲葉さんを突き飛ばした。

 幸い階段から落ちるということはなく、逃げられないようにか壁にぶつかっている。

 それを俺は視界にとらえた。

「おい!」

 咄嗟に声を荒らげ男に声をかける。

 高校一年と三年では雰囲気にも体格にも差はあるけどそんなこと関係ない。

 屋上前までの折り返しから今までよりも力を入れて駆け上がる。

「なんだよお前!」

「稲葉さん!」

 男のことなんて無視、そんなことより二人の間に体を割り込ませ、稲葉さんに近寄る。

「颯太君…」

 力なく地面に座り込む稲葉さんの声はどこか弱い。

 体も震えていて怖いのかもしれない。

 いきなり腕を引っ張られて連絡先を聞かれた挙句、突き飛ばされればそうもなる。

「大丈夫?」

「あぁ、しゃべったかと思えば男の名前。 あぁぁ、イライラする」

「…はい、すみません」

「いや悪くないって」

 完全に無視を決め、稲葉さんの手を引っ張って無理やり立たせる。

「おいお前なんなんだよ」

「もういいですか?」

 精一杯睨んで威嚇する。

「はぁ? お前らどういう関係んだんだよ」

「稲葉さん行こ」

 足が重い稲葉さんの腕を強めに引っ張る。

 そして、そのまま男の横を通り階段を下りようとした時…

「おい! 聞いてんのかよ」

ーー肩を強く掴まれ、後ろに引っ張られた。

「ひゃ!」

 すると体は後ろに投げ出され、後ろにいた稲葉さんにぶつかってしまった。

 相手は苛立って何をするか分からない、警戒しつつ素早く立ち上がる。

…こうなった時のことを考えてなかった。

 俺は運動も自信はないし、喧嘩もしたことがない。

「黙ってりゃ調子に乗って無視ばっかりしやがってよ」

 男の目は俺ではなく、稲葉さんに行っている。

 男が稲葉さんに近づこうとするのを体でガードし、目を合わせる。

ーーどうすればいい?

 良い案も浮かばず、胃の痛くなるような空気が続く。

「なぁお前彼氏なのか? それならまだしも…」

「稲葉さんとは…」

 咄嗟に否定しそうになった、けど完全に否定するのは気持ちが嫌だと思い、途中でやめてしまった。

「それだよ、苗字で呼ぶカップルなんていないだろ?!! なぁ! 邪魔なんだよ」

 こいつは俺らがカップルと言ったら引くかもしれない。

 そんな期待が浮かぶ。

 初めから何か策があったわけでもない。

ーー…でも稲葉さんにこんな悲しい顔をさせているこの男に腹が立っている。

 それでも暴力はない、勝てる見込みもないし、稲葉さんい何かあってからでは遅い。

 …だったらそれを採用するしかない。

 ごめん稲葉さん…

つむぎと俺の関係に何か?」

ーー稲葉《稲葉》つむぎ

 あの時は俺は恥ずかしくて女の子を軽々しくしたの名前で呼ぶことができなかった…でも今は強めの口調で、まるで彼女を守るように言い放ってやった。

…まぁ結局、恥ずかしくてカップルだと言い切れなかったのはご愛嬌。

ブックマークよろしくお願いします(*- -)(*_ _)ペコリ


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