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これから2

 バイトから帰り、もう寝る時間、だけど今日やりたいことがあった。

 音声作品を作り、稲葉さんに声優を続けてもらう、そのために必要な知識を集め、スケジュールを決める必要がある。

 期間は二カ月、何もない状態から始めるには、学校に通いながらでは時間が足りない。

 それでもやる。

 話すのが好きな稲葉さんのやりたいことを俺の所為で辞めることがあってはいけないと思った。

「資金は…バイトで何とかなる」

 音声作品を買いまくっていると言っても、一日に聞ける数は決まっている、だから貯金はある。

 実際に販売する場合、元を取れれば利益になる、つまり稲葉さんの頑張りを証明するということは心配いらない項目だろう。

「手順は…台本を書き、表紙イラストの発注、声優に依頼、納品されたデータを編集し販売か」

 大体の流れは把握したし…昔使っていたsnsのアカウントに再ログインする。

「フォロワー減ってるけど、ゼロから始めるより可能性はある…かな」

 昔はそこそこ居たんだけど…実際毎日投稿してたし。

 あの時は本当に夢中で書いていたし、楽しかった。

 でも今回は結果を出すために頑張りたい、そう思う。

「まずは…軽く短編、いや…シチュエーションボイスの台本とか」 

 書くジャンルが決まればあとはプロットを作り、キャラの設定を固めていく。

 ネットに同人音声を作る手順みたいのが書かれたページがあってすごい助かった。

 これがなかったら何をしていいか全く分からなかったと思う。

 それから俺は約一週間、何本かの台本を上げ、少し慣れて来た。

 プロット作りを知っていたのも大きかった。

 月曜日の朝が来た、さらには寝不足が続き二重で体がダルい。

「あぁぁぁ…しんどい~」

「…」じー

 視線を感じて後ろを見ると稲葉さんが居た。

「おはよう稲葉さん」

 後ろにいた稲葉さんに合わせるために歩くスピードを落とし、一緒に登校する。

「颯太君、最近しんどそうですけど…大丈夫ですか?」

「う、うん。 ちょっとゲームにはまってて」

 台本を書く練習や表現の方法のために夜更かししているなんて親にも言えない。

 もちろん最終的にはこのことを親に言わないといけないんだけど。

「ゲーム? 何のゲームですか?」

「え! あ、えと、まぁパソコンのゲーム」

「そうですか…」しゅん

 稲葉さんには言いたくないと勘違いされたのか落ち込んでしまった。

 やばい…。

「あ、昨日は音声作品聞いてたから…」

「もしかして…」チラッ

「そ、そう。 昨日出た結ちゃんのやつ」

「あ、ありがとうございます」えへ

 実際買ったのは間違ってないけど、時間がなくて聞いてない。

 昨日はプロットがなかなか書きあがらず、朝になる前までかかってしまった。

 だから結ちゃんの声を聴かないと寝れないどころか、いつ寝たのかも覚えてない。

「ど、どうでした?」

「えと…最高だったよ」

「…」ほっ

 安心した様子だ。実際に俺にとって最高なのはほぼ確定だけど、胸がチクりと痛んだ。

「そうだ、後どれぐらいで辞めるの?」

「はい一か月半とちょっとぐらいだと思います…」

「あ、ごめん、責めてるわけじゃなくてさ。 やっぱり推しだから」

「…」ぷい

 顔をそらされてしまった。

 括った髪の間から見える耳はリンゴみたいに真っ赤だった。

ーー残り時間は刻々と減っている。

もし音声作品に興味がある、作ってみたい方は実際にネットで作り方というか流れを詳しく書いているサイトがあるので見ることをお勧めします(*- -)(*_ _)ペコリ


颯太の中学の時小説書いていたという設定はこの時のためでした。

このフラグは息していなかったのでやっと出せてよかった…。


ブックマークの一つ一つに心を救われています。どうかよろしくお願いします。

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