稲葉さんの秘密1
高校で初めてのテスト後、本を読んだり、大量の音声作品を聞くために時間を使った。
だから最近、結ちゃんのsnsをチェックしていなかった。
「え、これって…」
…炎上してる?
何かあったのかな?
久しぶりに朝早起きして時間が余った俺は、何日か遡って、原因を探す。
「う~ん…これ?…ふーん、あ」
最近売れてきた声優の炎上だから量自体はそんなに多くない、でも叩かれていたり、不評のコメントが多くみられる。
「あ、時間」
スマホの時間に目をやるともう家を出ないといけなかった。
必死に探している間に気づけば時間が立っていたみたい。
「行ってきます」
急いでカバンや服装の確認をして家を出た。
……
…
何とかいつも通りの時間に電車に乗ることが出来た。
「…」
無言で肩を叩かれ、背後を振り返る…
「稲葉さん、おはよう」
「…」ペコリ
「? どうかした?」
先週あたり一緒にカフェに行った時は元気そうで、楽しいって感じが伝わってくるようだった。
でも最近、三日程前から徐々に元気がなくなって、余裕のない顔をしている。
今日は特にひどい。
「…」ふるふる
最近では慣れた人との会話は普通にしていたのに、今日は話すのもしんどいと言った雰囲気だ。
「大丈夫?」
「あ、はい…なんでもないです」
やっと俺が心配しているのに気付いた見たい。
「そう…」
なんて声をかけていいか分からず、学校までそのまま登校した。
「よっ、将」
「おはよう、颯太」
今日は将の方が早く来ていた。
「ん? 颯太なんか浮かない顔しないか?」
そうか?…いや、そうかもしれない。
「なぁ将…」
俺は稲葉さんが最近元気がない話をした、少しでも元気になってほしくて…。
「それって女の子の…とか?」
体調的な問題ってことか、その発想はなかったけど…
「違うと思う、そういうのじゃなくて、落ち込んでる気がして」
「稲葉さんが何で悩んでるか…俺にはわかりそうにない、悪い」
「いや、ありがとう」
…スッキリしないまま、一時間目、二時間目…一日中、稲葉さんの表情は明るくなかった。
ー次の日ー
今日も一日稲葉さんは元気がない。
昼飯に誘った時も話しかければ返してくれるけど、どこか上の空で…心ここにあらずのまま迎えた放課後…
「柏木君…」
「稲葉さん?」
授業が終わって俺がカバンの整理をしてると稲葉さんが話かけてきてくれた。
別に珍しいことじゃないけど、いつもとは違った雰囲気だ。
「少し相談に乗ってほしいことがあって、今から時間いいですか?」
「…相談って俺でいいの?」
「はい、お願いします」
クラスの子に直接相談をお願いするのは珍しいことだと思った。
「ここで?」
俺は帰ってもしないといけないことがあるわけじゃない。
だから稲葉さんが困っているなら、相談に乗って上げたいと思う。
「この間のカフェに行きませんか?」
「じゃぁ、行こうよ」
そういってカフェに誘ってくれた稲葉さんの笑顔は作り笑いとわかるほど、いつもの純粋な笑顔ではなかった。
「あ、この間のお母さんの発言は気にしなくていいので、お願いします」ペコリ
多分この間、俺が奢ってもらって、また奢って上げてと言っていたやつだろう。
確かに自分から誘って、奢られたいからとか思われたら嫌だろうけど…。
稲葉さんの相談したいというのは本当に伝わってくるし、そんなこと考えてなかった。
ブックマークよろしくお願います(*- -)(*_ _)ペコリ




