呼び出し
森林コンビと稲葉さん、俺で昼飯を食べてから数週間、初めてのテストも何とか…乗り切った。
後、原さんは反省したようで、中谷さんは時々稲葉さんを睨んでいる。でも証拠もないし、何も言えてない…。
「終わった~」
今ちょうど一日の授業がすべて終わった。
そう言えば、一回勇気を出すと意外と話せるらしく、稲葉さんと森林コンビが話しているところも時々みる。
だから、教室で笑っているところなんかも見られているわけで…
「稲葉さん!!」
「…」ビクッ…??!…?
顔も幼め、体系良し、寡黙気味だけど仲良くなると笑う。
裏で人気が右肩上がり、でも毎日昼飯を食べているやつ(俺だけど)がいて…と微妙な感じだった。
ーーだから人気はあっても告白もなかった。
「おー、武田やるなぁ~」
そんなクラスの声からもわかる通り、ついに勇気を出したやつが現れた。
「今ちょっと時間いいですか?」
「…」
俺の心は平穏を保ってなかった。
告白するだろうと噂はあった、でも別に俺は彼氏でもなんでもないしと思っていた…
なんて答えるんだろ。目が離せなくなり、気になって仕方がない、そわそわする。
「…」
「稲葉さん? ちょっと来てほしいんだけど…」
「…」ふるふる
「すぐだからさ、それとも何か用事ある?」
稲葉さんの拒否に焦っているようだ。
「…」
稲葉さんが何を言うのか、聞き逃さないようにクラスも静まり返っている。
それが返って稲葉さんを苦しめているように見えた。
『おい、颯太』
『なんだよ、将』
俺にだけ聞こえるぐらいの小さい声で呼ばれ、体に力が入っていたのがわかった。
『行ってやれよ』
『なんで…』
でも俺は…。あれは稲葉さんが決めることだし…。
将は変な時だけ察っしがいいから困る。俺はいつも将には背中を押されているな。
『はぁ…、あのままじゃ…』
将が何か言いかけたその時、稲葉さんがこっちを見た気がする。
それに……その目には涙が溜まっているように見えた。よく見れば稲葉さんの拳にも力が入っている。
『もっと早く気づけよ』
俺にはもう将の小声は聞こえてない。
俺の体はもう、俺の席から少し離れた、稲葉さんのところにあるから…
「ごめん武田、用ならここで言ってくれない?」
「あ? 用があるのは颯太じゃないから」
「言えないなら、今度にしてくれない? 俺ら今から用があるからさ」
「はぁ? お前ら別に付き合ってないんだろ?」
「そうだよ。 稲葉さん行こ」
「…」
俺の席に戻り素早く、カバンを持って稲葉さんのところに戻ると、稲葉さんはまだジッと座っていた。
「稲葉さん?!! 本当に颯太とようが?」
「…」コク
武田は反応した稲葉さんに、内容が内容だけにショックを受けた様子で突っ立ている。
稲葉さんはまだ動かない…仕方ない。
「ほら、行こ」
カバンと机にあった教科書を勝手に持って、座っている状態の稲葉さんの手を引っ張る。
「…」トコトコ
俯いたまま、力なくついてきてくれた。
よかった、これで振り払われたらもう学校に居場所はないだろう。
教室のドアを開け、部屋を出る。
こんなにも静寂が教室を支配するなんてと思っていると…
「「「きゃーーー」」」
「うわーー」
俺らが出た教室で武田の叫びと数名の女子の歓声が上がるのがわかった。
教室が沸いているのがわかった。何を言っているかまでは聞こえないけど…
まぁ俺の所為だと思う。出ていく時、手握ってたし…
「ありがとうございます」ぐす
「稲葉さんは悪くないって」
ってあれ? 手、握ってる!
離すタイミングがなく、稲葉さんと手をつないでいる状態…手汗大丈夫かな?。
「稲葉さん、今日用事あったの?」
「いえ…あ、カバンありがとうございます」
「あ、はい」
カバンの受け渡しで手を放してしまったのがすごく寂しく感じた。
正直今、告白されてなくてよかったと思って、ホッとしている自分がいる。
「帰ろうよ」
一緒に来ることはたまにあっても帰ったことは、捻挫のときだけだ。
だから普通に帰るというシチュエーションにドキドキしそうだったその時…
「あの…私今日家の鍵忘れて…お母さんに迎えに来てもらうんです」
「あ~、ごめん」
「柏木君が悪いわけでは…」
「俺の所為で教室に戻りにくいよね」
「そんな! 私の所為で」
お互いに庇うのが面白くて二人で笑った。
俺は今、稲葉さんをどう思っているのかよくわからない。でも今の時間が心地よい。
「じゃぁさ、今から時間までどこか遊びに行かない?」
「え?」
「あ、ごめん。 嫌かな?」
「…いえ」もじもじ
少し卑怯な聞き方だったかもしれない。けど…
「どうかな?」
「私、友達と遊んだことなくて…何すればいいかわからなくて…」
友達、友達ね。
「んー、なら駅前のカフェは? 一人じゃ入りにくくてさ~」
「わかります」コクコク
『あれ見て~』
下駄箱前で話過ぎたようだ、クラスの人が降りて来てしまった。
恥ずかしくなった俺と稲葉さんは二人で顔を赤くして駅に向かった。
一度、稲葉さん視点挟んでからデートです!!
ブックマークよろしくおねがいします(*- -)(*_ _)ペコリ




