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友達5

「キャラクター設定…」

 中を見てもガッツリ台本…だと思う。

 音声作品には台本がついているものと附いていないものがある。

 でもこの作品には附いてなかった…と思う。

「てことは」

 まだまだある紙束に目をやった頃、廊下に人が通る足音が聞こえた。

「やばっ」

 急いでその台本をもとの位置に戻し、席につき急いでお母さんが持ってきてくれたお菓子を手に取る。

ーーガチャ!

「…」?

 どう頑張っても落ち着き切れなかった。

「どうかしました?」

「ううん、何も…」

「それなら…。 えと、これ」

 そういって手渡されたのは有名だけど、巻数が多くて手が出なかった作品だった。

「これ、、前から読んでみたかったやつ。 ありがとう!」

「ど、どうぞ」

 持ってきてくれた漫画は初めの三巻で、ラノベを読みなれている俺はすぐに読み終えると思っていたけど…

…気になって読めない。

 さっきの台本どうしたんだろう。

 聞きたい気持ちはあるけど…部屋のものを勝手に触ってたなんてバレたら。

「…」?

 そんなことより俺は聞かないといけないことがあった…。

「そういえば稲葉さん、もう髪括らないの?」

 気を紛らわせるためでもあるけど、気にはなっていた話。

「はい…折角褒めてくれたのに、ごめんなさい」

「それは、いいんだけど。 どうして…」

「…」

 雰囲気を見て、途中で言うのを辞めた。

 最近わかってきた。稲葉さんは答えたくない時は黙る。

「ごめん」

「…」コク

 謝って本に戻る。

 目に見えて、言い辛そうにされるとつい最後まで聞けなった。

 でも稲葉さんを家まで送ったあの日、ここまで言いたくない出来事があったはず、怪我をするほどのことが。

「ねぇ、どうして捻挫したのか教えてくれない?」

 でも、やっぱりどうしても知りたい。

「…」ふるふる

 俺は今まで友達というより知り合いという感覚が強かった。

 バカやるわけでも、一緒に何かするわけでもない。ペア活動で知り合っただけ。

 それから毎日数分話したりすると言っても、どうしても遠い感覚だった。

「俺と稲葉さんってどういう関係かな?」

 机から身を乗り出して、強気に聞いてみる…

「…」あわわ…ぅぅ

 やばい、家に来て俺が迫ってるみたいになってる。

「あ、違う! ごめん」

「…」コク?

「友達…なんだからさ」

「…」コク…ほぉ

「誰かに押されて、怪我したんじゃない?」

「…」

 確か、「私がいると柏木君も迷惑に思ってるって」といった。

 つまり誰かにそういわれたんだと思う。

 理由…それは髪を括って、幼めの顔とか、おどおどしてる感じが可愛くて男受けした、人気がでたことだと思う。

「原さんと中谷さん、だと俺は思ってるんだけど」

 きっと原さんは真田を、中谷さんは誰かが取られると思って出る杭を打ちたかった…と予想してる。

「…」ビクッ

 多分あってる。こんなスマートじゃないやり方しかできないけど。

 髪型も自由に決められないのを放っておけるわけない。

「どうして…?」

「ごめん、勝手に…」

「…」ふるふる

「また学校でも括ってほしいんだ」

「ごめんなさい…」

 はっきりとした拒絶、でも…。

「それは二人に何か言われたから?」

「もういいじゃないですか、私怖いんです」

 稲葉さんはどこか諦めていて、苦しそうな顔をしている。

「私、邪魔なんて直接言われたの初めてで…、ホントにいない方がいいのかなって…。

 それとも柏木君も…。 私は友達がほしかっただけなのに…」

 苦しそうだった稲葉さんは目に涙が溜まっていた。

「稲葉さん…俺は友達だし、勇気を出して髪型を変えたって言ったあの日、クラスの子に話かけようとしていたのも見てた」

 確信はなかったけど、多分教室をキョロキョロしていたのは髪型が変わって落ち着かなかったから…ではないと今わかった。

「…それは」

「それに稲葉さんは人に気がまわって、優しい、それに本当は話すのも好きだよね?

 なのに…邪魔って、…そんなわけない、絶対違う。

 だから、また髪を括ってほしいんだ。

 似合ってるし可愛かったからさ」

「…私、」ぐス

 感情と雰囲気にながされてよく考えずにしゃべってた気がする。

 それに稲葉さんも泣いちゃってるし。

 彼氏なら抱きしめるのもありだとおもうけど…俺は違う。

「この本ありがとう、これだけ借りて帰るから」

「ありがとぉ…ござぃます」

ーーバタン!

 泣きながらの小さい声だったけどしっかり聞こえた。

 恥ずかしいこと言ったけど、自分の中でも答えが出せた。

「柏木君」

「はひ! お母さん?!」

 部屋を出ると呼び止められた。

「まだお母さんじゃなので私のことは彩って呼んでね」

「はぁ…ん?、すみません彩さん」

「よろしい、もう帰るの?」

「はい、お邪魔しました」

「邪魔じゃなかったわよ、絶対」

「へ」

 多分これ俺たちの会話聞かれてたっぽい。

 やばい恥ずかしいこと言ってしまった。

 まぁ扉があるとは言え熱くなってたし声が大きくなっていたのかもしれない。

「ふふ、ありがと。 あの子ここ二日ぐらい苦しそうな表情してたし、話してもくれないから…」

「いえ。 …そのお茶とお菓子ありがとうございました」

「また来てね」

「はい、また」

 お礼を言って家を出る。

 お菓子は全然手を付けてないけど、恥ずかしくてもう食べる余裕もないし月曜にでも稲葉さんに謝ろう。

 ……

 …

 初め俺の中で稲葉さんは知り合いだった。

 でも今日、俺は友達だと言った。

…本当は友達だと言ったとき、心にモヤモヤとしたものがあった。

実はヒロインの名前がまだ出ていないのに気付いた方いるでしょうか?


これからも頑張るのでブックマークしてくれると嬉しいです(*- -)(*_ _)ペコリ

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