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放っておいてください3

 稲葉さんを送ったあの後、俺は本を買いに行くのを辞めて家で音声作品を聞いて寝た。

 次の日、俺が登校して授業が始まっても稲葉さんは学校に来なかった。

 まぁ捻挫したんだし、それは仕方ないことだと思う。

「はぁ…、どうしよ」

 前も稲葉さんのことで頭を抱えた気がするけど、今回は…。

 心配で行ったことが裏目にでて勘違いされてしまった。

 別にお母さんに勘違いされていても問題はない…でも。

「なんかなぁ」

 言葉にできない感情が渦巻いていいる。

 そもそもどうして俺が稲葉さんをこんなに気に掛けるのかも理由を聞かれればはっきりと答えられない。

「どうしたんだよ、颯太」

「んー、例えばさ…」

 昨日のことを他人ごとのように将に話してみた。

 我ながら安直な相談の仕方だけど、この感情がどうしたくて、どうすればいいかわからない。

「その男ってその女の子のこと好きなんじゃないのか?」

「それはないと思うけど」

 俺には特別な感情はないと思っているし、そうなっても稲葉さんも困るだろう。

 それにクラスでよく話す子が困っていれば助けてあげたいと思うのは普通だろうし。

「でも、なんかほっとけなくて、話していると落ち着くんだろ?」

「そーだけど、でもその男は二次元が好きで…」

「へー、そんな面倒な男がいるんだな」

 おいおい、言ってくれるな。

 将は本当にわかっていないのか、俺に突き刺さることを言ってくる。

「将君…。 颯太君はどうしたいの?」

 たとえで言ったけど司にはバレた。いや普通の人ならすぐにわかりそうなもんだけど。

「俺のことじゃないけど、わからないらしい」

「はいはい、僕なら…捻挫の原因が知りたいとおもうかな。 きっと何か理由があると思うよ」

「そっか…そうしようかな」

「その男って颯太だったのか?」

「いやいや、その男に言っとくよってこと」

 何が嫌で、何がしたくて、どうすればいいかわからなった。

 けど、相談して、口に出してお母さんにどう思われてようと、「他に頼る人がいない」と言わせた以上。

 昨日の怪我が誰かの所為な以上。

 放ってはおけない。

 ……

 …

 さっきのは誤魔化せてなかったかな、恥ずかしいこと言ったかも。

「よっ颯太」

「真田…」

「そんな気まずそうな顔するなって、昨日は俺が悪かった」

 謝罪に来るとは見た目よりまっすぐな奴だったんだな。

「俺も、ごめん」

「ほんとごめんな、まぁ仲良くしてくれよ」

「何かあった?」

「いやー、あの後葵に怒られてさ、目が覚めたわ」

「そっかそれは良かった」

 いろんな意味でホッとした。

「俺朝から校舎裏で…「ちょ匠!?」

 高校生が朝から何をしたのか知らないけど、焦った様子の原さんが割って入って来た。

「それは二人の秘密っしょ。 ほらこっち」

「あー悪い悪い、じゃあな颯太」

「ちょっと待って、原さん少しいい?」

「え?」

「おいおい颯太、仕返しにしては趣味悪いって」

「違う違う!って少し聞きたいことがあっただけだって」

 焦った、仕返しに原さんに何かするわけないし、俺と稲葉さんはこの二人のような関係でもない。

「まぁそうだよな」

「うち? いいけど…」

 少し面倒そうだけど話はできそう。

「今日稲葉さんがなんで休んでるかわかる?」

「どうしてうちに聞くっしょ?」

「えと、クラスの情報に詳しそうだったから」

 真田からはどこかホッとした雰囲気を感じる。

「それは…うちは…」

「はいはーい、私昨日稲葉ちゃんが階段でこけてるところ見たよ」

「千咲…」

 教室で話してるし誰かが割って入ってくるのは問題ないし、仕方ない。

 でもこのタイミングだとこの中谷なかたに千咲ちさき は怪しいと思う。

「ねぇ千咲」

「何? それより購買行かない? ね?」

「うん…」

「ほらほら、彼氏が心配するのはあたり前だって」

 少し修羅場になりそうだった空気も最後の廊下でわざと聞こえるように言った一言で教室中をほっこりとした空気に変えてしまった。

 そのコミュ力はすごいけど…

 目に見えて勢いのなくなった原さんとあのタイミングで入って来た中谷さん。

『一年生の柏木君、至急職員室まで来てください』

「へ」

「颯太呼ばれてるぞー」

 あとは考えをまとめたかったけど校内放送で呼ばれた。

 何もした覚えがないけど、呼ばれれば行くしかない。

「職員室って一階だったよな?」

「そうだよ」

 将と司に手を振って一階に向かった。

ブックマーク、評価、応援ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


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