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お返し

「あー、しんどい」

 朝はしんどいしか言わないな俺。

「…」

 稲葉さんは自分の席で本を読んでいる。

 もう松葉杖はなく、病院の検査でも問題がなかったらしい。よかった。

「颯太、今日は体育だぞ、元気出せよ」

「それが?」

「はあー体操服に決まってるだろ」

「はいはい」

「もうちょっと興味持てよ」

「いや、もちろん見るけどさ」

 そういうので吹っ飛ぶ種類のしんどさでなく、昨日買ったシチュエーションボイスが可愛すぎて寝付けなかった。

「見るんだ」

「司も楽しみだろ?」

「そうだね」

 余裕な感じで羨ましいことで。ふぁあ~~、しんどい。

 あと稲葉さん髪切ったのかな?

 いつもより短い気がする。

「時間だし、着替えるか」

 二次元とリアルでやっぱり違う魅力があることは理解しているけど、それでそこまでテンションが上がるほどではないし。

 ……

 …

「はぁ、やっと休憩かー」

「準備運動ぐらいで」

 体操にグラウンドをランニングすればこれぐらいなると思うけど。将はタフすぎる。

「なぁ、あの子何組の子かわかるか?」

「はぁ…、え、どの子?」

「あの子、黒髪の後ろでくくってる子」

「あんな子…ってあれ?」

「颯太君しってる?」

「司も興味あるの?」

「そんなことはないけど、見たことがある気がして」

 胸が大きくて、寡黙そうで、髪がすごくキレいで輝いてる女の子…稲葉さん?

 以前髪をくくったほうがいいって言ったのをやってくれたのかな、髪で隠れてた顔も幼めの可愛い顔をしている。

「稲葉さん…だと思う」

「僕もそう思かなって思った」

「え! あの子他のやつも噂してたぞ」

 将はいまだに信じられないようだ。ほとんどいつも話している俺も信じられないぐらい変わった。

 朝は括ってなかったから体育で少しずつ鳴らす感じだろう

「ほーら始めるぞー」

 ……

 …

「はぁ…はぁ、疲れた」

 やっぱり外にでないオタクには体育の授業だけでもかなりきつい。

「颯太、見たか? やっぱり体操服は薄くてさぁ…いいよな」

 女子は先に終わりもう着替えている頃だろう。

 だから将は余韻だけでこのテンション…。

「思春期すぎだろ」

 自分に正直な将はいつものことなので放っておく。

 でも将はサッカーが上手いのでモテル、それでも手を出したことはないらしいから面白い。

「どこがそんなにいいんだよ」

「ほら見ろ、透けそうで透けてなくて、それでいて揺れが……ってあの子」

 俺もいいとは思うけど、これ録音して流されでもしたら次の日ニュースだろう。

「もういいや、熱い…」

「颯太…」

「どうした?」

 いきなり冷静になられると困る。

「あれ…」

 将が指をさす方向を見ると…。

 授業が終わって着替えているはずなのにそのままの体操服で少し息が切れた女の子。

「稲葉さん?」

「あっ…」コク

 手招きしてる?

 グラウンドの端っこ、校舎から出てすぐのところから誰かを呼んでいる。

「俺?」

「…」コク

 自分に指さして、ジェスチャーで聞くとうなずいてくれた。

「ちょっと行ってくる」

「稲葉さんってあんなに可愛かったのか…」

 将が何か言ってるけど無視して稲葉さんのところに向かう。

「えと…これどうぞ」

「これは?」

 手に持っていた冷たいストレートティーとタオルを手渡してくれた。

「この間のお礼、まだできてなかったから…」

「あ、ありがとう!」

 前々から奢ってくれるって言ってたけど、このタイミングは最高すぎる。

「じゃぁありがたく、…ゴクッぷはー、タオルまでありがとう。 気を使わせてごめん」

「あったほうがいいと思って」ふるふる

 稲葉さんのくれた真っ白いふわふわのタオルで汗を拭く。

「ふぁー、いい匂いがする」

「ありがとうございます」

「あと…髪、切ったんだ」

「えへ♪ ど、どうですか?」

 消えてしまいそうな声、に幼めの顔。 何よりギャップというスパイスが効いていて…可愛い。

「すごく似合ってる…けど、どうして?」

「前々から切ってみたかったんですけど…、勇気がでなかったんです。

 でも友達にアドバイスをもらったことなかったから…嬉しくて、つい」

 んー勘違いしそうになったぁ、そういうことね。純粋な感情で勘違いするのはダメだ、絶対。

「そっか、その方が絶対いいよ。 前よりも可愛くなったと思う」

 髪を全体的に前より短くして、肩より少し上の髪を後ろで括っている。

 俯いてもどこかほんのり幼くて可愛い。

「…」あわわ~

 顔を背けて帰って行った。

 俺、彼女でもない子に恥ずかしいこと言ったかも。

 ……

 …

「颯太、颯太あれ誰だったんだよ?」

「お前あのこと知り合いだったのか?」

 例の女の子である稲葉さんと別れたあとすぐに問い詰められた。

「えと、稲葉さん。 ほらクラスの」

 まぁ隠すことでもないけど。

 髪を括ったほうがいいと言ったけどあそこまで雰囲気が変わるとは思わなかった。

「俺、正直ちょっと気になるかも」

「おいおい真田さなだ、お前葵あおいちゃんに聞かれたら殺されるぞ」

「大丈夫だって、聞いてないからさ~」

 この真田匠さなだたくみは野外活動で同じ班だった原さん(葵ちゃん)と付き合っている。

 ギャルとチャラ男でいいコンビだけど…この調子だと別れるな。

 あと真田の発言になぜかヒヤッとした…この気持ちなんだろ。

読んでくれてありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


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