クルシュナの長城(2)
クルシュナの長城の向こう側は、ベルザハーク・アクダム帝国だ。
長城をはさんで、向こう側がベルザハーク・アクダム、こちら側がクルシュナ。
長城を境目にして、あちら側とこちら側では、まるで違う世界だ。
魔法をほとんど使えない魔法戦士のマーク・ハミルス、
鉄の爪で戦う武闘家の、ハッサン・ガントフ、
回復魔法のエキスパート、エルザ・マリーシア、
パーティーの中では頭脳派の学者アイラク、
商人のハン、
踊り子のクラリス、
そして、老軍師キタオオジ。
この異世界戦士7人が、たった今いるのは、長城付近にある、名も無き集落だった。
今いるのは、この集落に一つだけある宿屋だ。
宿屋に宿泊している老人が言った。
「この何もない、だだっ広い平原が、かつては敵国に攻め入るすきを与えていた。
長城ができてから、帝国とも互角に戦えるようになったんじゃよ。」
こんな話を聞いた。
さあ、今日の食事はというと、パンと肉とフルーツ盛り合わせと、飲み物も飲み放題。
いずれもこのあたりの畑で採れた小麦と果物、それと牧場も近くにあるので、意外と食べるものには困らないという。
ハッサン「いただきまーす!」
まずハッサンが肉をガツガツ食べる。
マーク「ここは負けてられないな、よーし!今日は食いまくるぞー!」
ハッサンに負けじと、マークも肉をほおばる。
しかしハッサンは、とんでもない大食いだった。
7人で肉を取り分けるはずが、気がつけばハッサン1人で食い続けている。
厨房も、ハッサンの食べるペースに負けじと、フル稼働だ。
マーク「おいおい、まだいけるのか、もう腹いっぱいで、ついていけないな…。」
仕方がないので、ハッサンを除く男性陣、マークとアイラク、ハン、キタオオジの4人は、パンにジャムやバターをつけて、黙々と食べ続ける。
一方、マリーシアとクラリスの女性陣は、フルーツに舌鼓を打つ。
マリーシア「すみませーん!追加で各種ケーキ盛り合わせをくださーい!」
クラリス「私にもケーキくださーい!」
さらには追加でケーキを注文する。実はケーキもこのあたりの名物として有名だという。
「ふう、お腹いっぱい、ごちそうさまー!」
今日は本当にたらふく食べた、こんなにたらふく食べたのは、いつ以来だろうと思った。




