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Eternal chair  作者: Mik!nA
8/16

hope

――15雨


都内 某所 さくらゴールデンパーク 午前10時57分


事件が起きた場所に来た凛子と蜥蜴澤であったがなかなか捜査が進まずにいた

というか進もうともしなかった


ザーッ


「もう!なんで()()()()()()()()()()()()信じらんない!」


それは天気予報にもなかった突発的な集中豪雨だった

無論傘すら持っていない

ついてないなと凛子は思った心も空も雲がかかり土砂降りであった

急いでその場凌ぎであるがメリーゴーランドの屋根の下へ向かった

隣で蜥蜴澤先輩が顎に手を当て唸っている

いつもの悟りが始まろうとしている

関わる前にわかった事件の真相を整理しておこう


まず第1回目の事件が起きたのは一昨日の9日の午前

2回目は午後、3回目は昨日の午前、4回目は午後いや明け方だから

今日つまり11日だそして午前中にもう1回…

まとめると一昨日に2回、昨日は1回、今日は午前中で2回…

資料によると最初の犯行は工事現場にて起こった被害者が体調が悪いと作業を一時中断し近くの日陰で休んでいていた、しばらくして気になった同業者が様子を見ると全身氷漬けになって死んでいた…


2回目の犯行も近くの工事現場でさっきは新しい新居を建てるためであったがここは子供などが遊ぶ小さな公園を建設中だった、被害者はも一旦作業をやめ気分悪いといい帰らせたが帰る途中いきなり震えだし心臓から凍り始めた…


3回目は今までとは違い普通のサラリーマンが凍死している これには目撃者がいないのかよく書かれてはいなかっただか唯一気になったのが現場でそこは自宅であった1回目と2回目は屋外に対して3回目は室内であるのだ


4回目のさっき朝見てきた現場では完成された公園でありそこで

男性が凍死していた身元確認したが彼はアルバイトをしたいるいわゆるフリーターだったこれもあの散歩していた人が最初の目撃者なのでその時見てた人はいなく詳しくはわからなかった


そして5人目これは私たちの予想をはるかに裏切る人物だった

女性であった

これまで被害者は男性であり容疑者は女性であると予想していたがこれでは推理が偏ってしまうのだ


一昨日から今日にかけての連続凍死事件の経緯はこんなもんか…


凛子は脳内でパズルのような仕組みでピースをはめ込んだ

犯人の行動、目的、理由、それぞれは()()()()はまとまったしかしピースがひとつだけ見つからなかった


「あと一つ…あと一つさえあれば…」


蜥蜴澤がびしょびしょになりながらメリーゴーランドの屋根の下へ入ってきた手にはおにぎりやサンドイッチが入っていた


「ひぁ〜にしてもすげぇ雨だなぁ?どうだ?腹減ったろ?お一ついかが?」


事件が起きていて死人がでているのに対し警戒心がまるでない蜥蜴澤

しかしその優しさ(おこない)が最後のピースを埋めた


「雨…そうか!」


「飴がよかったの?買ってきてないよー」


「そうじゃない!先輩!気象庁に連絡して一昨日から今までの雨雲レーダーを貰ってきてくれませんか!?」


「え!?ちょっ、はんに…え?ま、ご飯どうする?」


「早くしてください!事件解明の為に!ご飯は貰います」


「わ、わかった!」


びしょびしょの先輩をパシリに使いまたびしょびしょの雨の中走り去っていった蜥蜴澤

申し訳ない気持ちもあったが日頃役に立たないからこれくらいはと凛子は思った

そして蜥蜴澤が持ってきたおにぎりを見つめ手に取った





――16メリーゴーランド



都内 某所 さくらゴールデンパーク 午前11時21分


蜥蜴澤が戻る時には雨が上がっていた

さっきまで土砂降りだったのが嘘のようだった


「栗宮〜!持ってきたぞ〜 はぁ、はぁ、あれ!?俺のご飯がない!」


「ありがとうございました。それとごちそうさまでした。」


「うそやろ…俺が頑張って持ってきたのに…」


「さぁ見せてください」


「お前、ほんま全部食べたんか?」


「はい、お腹空いてたんで」


「そうか…ならしゃあないな…」


凛子は雨雲レーダーに目を通した

一昨日、昨日、そして今日の朝までの記録に

そしてため息をつく


「やっぱりですね。」


「どうしたん!なにかわかったのか?」


「はい、ですが確証はもてませんなのでやはり目撃者のところへ行き話を聞きましょう」


「そうか、わかった」


支度を整え外へ出ようとする

しかし突然メリーゴーランドが動き始めた

リズミカルな幼少期の記憶を思い出される楽しげな音楽

その中から人影が浮かび上がってきた


「な、なんだ!?」


膝をガクガクしブルブル震え唇が青くなっていく蜥蜴澤

フラフラしていて案の定倒れ込んでしまった


「先輩!?しっかりしたください!先輩!」


「お前は逃げろ…」


「なにを言ってるんですか?!先輩無しじゃなにも出来ません!」


「いいから早く…」


「わかりました。()()をなんとかしてから先輩と逃げます」


「なんてわがままなやつだ…」


蜥蜴澤は気絶した

否そのまま死んでくれないかなと思ったがこれからもっとパシリにしたいから今死んでくれては困ると凛子は思った

すると影がこちらへ近づいてくるのがわかった


メリーゴーランドの音楽でカバーされているが

凛子はこの時少し震えていた

目の前にいるのは人ではない()()()

そう感じたのだ

蜥蜴澤先輩もあの症状と同じ体調が悪くなりブルブル震えた

間違いない目の前いるのは連続凍死事件の犯人!


メリーゴーランドの馬を降り機械を操作しさっきまで動いていた音楽も止まった


「酷いなぁ…人の顔見て気絶するなんで僕泣いちゃう〜」


現れたのは想像とは全く異なる人物だった

腰辺りまである長い白髪の髪

目の色は赤く小学生のような容姿であった


「まさか僕のこと()()()()()()()()の犯人だって思っちゃってる?」


凛子は生唾を飲み込んだ

これまでの予想とは真逆の結果になったからだ

そしてこの子事件についてなにか知っているようだからだ


「あれれー黙ってるってことは図星なんだぁ」


「…君は何者なんだ?」


「あらあら無視か…まぁいいけど名乗るとしたらまずそっちからじゃないお巡りさん?」


「私は刑事、栗宮凛子だ。こっちも同じく刑事で蜥蜴澤だ」


「へー凛子ちゃんって言うんだ!可愛い名前だね」


「君の名前は?年齢は?家族はどこに?」


「僕は中堂ひまり、20歳、家族はいないそして」


彼女は凛子の顔まで近づいたしかし身長が届かず肩にしがみつき

目の前でこっそり悪そうに聞こえないように言った


「探偵さ」


凛子は目を丸くした、なんせこの見た目ではたちだと!?私がロリコンなら法を犯していたところであるなにせさっきの言葉は本当なのか?だとしたらなにか手掛かりを知っているんじゃないのか?


「あらあら、相当ビックリしているようだね。うははっみんなそういう表情するんだよ。でも…そこの気絶している子多分僕とあまり歳変わらないんじゃないかな?にしても僕を見て気絶するなんで、れでぃーに対して失礼じゃない?」


「蜥蜴澤に代わり詫びるすまない」


隣には無様に横たわる大きい大の大人、後輩が隣にいるのになんて情けない


「いやいいって事よ慣れてるからさ、そんで」


彼女は謝罪を求めている訳ではなかった

もっと求めているものがあるようだった

凛子はひまりがなにか言いかけてようとするが遮った


「君はなにを知っている?」


ひまりは苦笑したまるでその問を待っていたかのように


「早速本題か…いいだろう今回の事件について少しおしゃべりしようじゃないか」


外には美しい虹がかかっていたそれとは裏腹に真っ暗のような黒く見えない真実に凛子は触れると雲ひとつない空は笑っていた





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