know
Twitterで漫画で見所をまとめてあげたんでよかったら見てね〜
21――ルパン
都内 某所 さくらゴールデンパーク 午前11時39分
メリーゴーランド前
私、栗宮凛子はある人物と対峙している―
それは虚偽であるか真実であるか、現実である事は全て正しいという根拠を根底から覆すことのできる人物
何が正しくて何が間違っているか
世界を善悪で真っ二つに切り分けそこに曖昧なんて言葉はない
口では語らないがそんなオーラを醸し出している人
全てを知りあえてなにも言わない
まるで自分が神か仏にでもなったのかのような言い草だが
栗宮凛子にはそう感じるのであった
そんな世界神の名前は中堂ひまりといっていた
そして自分は探偵だと
容姿はまるで中学生か小学生の高学年くらいでロリっけが迸る
今回の連続凍死殺人事件について一体なにを知り
どのように絡んでいるのか
彼女は全てを見通しまるで物語の道筋を自分で造っているのような喋り方で、私に語りかけきたのだ
「早速本題か…いいだろう今回の事件について少しおしゃべりしようじゃないか。」
凛子は生唾を飲み込んだ
これほど緊張するのは久しぶりだった
この部署に配属された日ぶりだったかそんなことはどうでもいい
「えっと〜警察はどこまで捜査が進んだか全く興味がないんだけど、僕も僕で情報をあまりペラペラ喋りたくないんだけどさぁ」
ひまりは小さい人差し指を唇の前までもっていき言った
「取り引きしようよ?」
「取り引き?」
「んまぁ警察が一体どんな考えで捜査しているのかは気になってね、まぁ言える範囲でいい、情報漏洩で凛子ちゃんが捕まってしまっては僕に分があるからね、見ず知らずの人間に喋るなんて本当はしたくはないだろうけど、これは君が決めてくれていいよ」
凛子はゴクリと自分の唾液が喉を通る音が聞こえた
これほどいい条件なんてない!さぁ一緒に犯人を探そう!
だなんてひまりは微塵も思ってないからだ
一体何を考えているんだ?
しかしここで引き下がっては己の刑事魂が廃れる
「わかった、中堂さんの条件を飲もう」
「流石は刑事さん〜では早速…」
凛子はひまりの口を遮り人差し指をビシッと唇に触れた
「…!?」
「こちらも多少は条件を出しても良いか?」
ドサッ
ぐいっと近づいたせいかそのままの勢いで倒れてしまった
凛子は四つん這いになり下には顔を赤らめたひまりがいた
客観的に見れば女子小学生を大人の女性がいかがわしい事をしている様にみえるのは仕方の無いことだった
「おや、すまんな…足が滑って、怪我はないか?」
凛子の黒髪ロングストレートヘアの髪がひまりの白い肌に触れた
ドクドクと心臓の音が聞こえる
拍動が交互に鳴り呼吸が少しずつ荒くなる
倒れた衝撃でなぜか手を恋人繋ぎをしている現状に驚いた凛子は急いで離そうとするが、ギュッと握られ離れない
お互い見つめ合う時間が続き、凛子は頭の中が真っ白になりつつあった
「あらあら〜凛子ちゃんこれはなんです?僕を逮捕するんですか?罪状はなんです?」
耳元でそっと優しく囁かれた
不可抗力でこうなり罪状もなにも私が捕まってしまうこの現状を受け止めきれないと凛子は嘆いた
その時、刑事である誇りが凛子を突き動かした
ちからずくで手を引き剥がし、気合いで跳ね起き上がった
「(危ない危ない…危うく現行犯になるところだった…)わ、私からの条件は…!」
顔を赤らめ、焦りを感じている凛子を見て、ひまりはクスっと笑った
笑われて更に顔を赤くする凛子にひまりは立ち上がり言った
「やっぱいいや〜今回は条件なしでこっちから情報をあげるよ〜凛子ちゃん可愛かったし」
「警察を馬鹿にしているのは許しません!」
「あれれ〜僕に襲いかかってなにをしようとしたのかなぁー怖かったなー」
「あ、あれは!その…不可抗力で…」
「クスっ じゃあね、乙女の刑事さん」
硬直していて足が思うように動かない
凛子はその場から立ち去ろうするひまりを呼び止めようとするが歩き続ける
去り際にくるっと振り返り、はにかみながら言った
「資料提供ありがと!あと可愛いかったよ!またね〜」
資料?はて…と思いスーツの中を見たら、蜥蜴澤先輩が持ってきてくれた雨雲レーダーのデータが無くなっていた
急いでひまりの後を追ったが行方はわからなかった
凛子はしてやられたと悔やんだ
だが、あまり後悔はしていなかった
何故だろうまだ心臓がドキドキする…
凛子は鳴り止まない心臓に手をあて思いっきり叫んだ
「おのれルパ〜ン!」
怒涛のモノマネがさくらゴールデンパーク中に広がった
その影響か気絶していた蜥蜴澤先輩が目覚めた
「うーん…あれどうしたんだ?栗宮、銭形警部の真似なんてして」
パコーン
と、どこから取り出したか凛子は、緑のトイレ用スリッパで先輩の頭を叩き切った
「寝てたあなたにはわからないでしょうね!」
「?!???」
全く現状が理解できてない蜥蜴澤先輩を置き去りにし、凛子はさくらゴールデンパークを去った
22―写真
都内 警視庁捜査一課第4特殊班部署 午後1時3分
ダン!
と音を立てて部屋に入ってきてのは凛子だった
顔が赤くハラハラしていてとても正常な状態ではないと財前は感じた
今のご時世下手になんか言うと訴えられてしまうがここはあえて触れない選択をしようと心に決めた
ダンと激しく扉を閉めた途端またすぐさまダン!と扉が開く
息を切らして汗ダクの蜥蜴澤だった
おや?この様子だと蜥蜴澤くんなんか栗宮くんにしたね…
60歳にはならないがなりそうな年齢の財前にもわかるのだった
「栗宮!どうしたんだよ?現場はどうなった!?あと被害者との面会で話を聞くって言ってたの忘れたのか?」
「…」
「あ、あのどうしたんだね?蜥蜴澤くん?」
「課長…現場で出たんですよ犯人が…!それで俺は気絶しちゃったみたいで、気づいたら犯人逃げてて栗宮はなんかおかしいし…俺もうわからんのですよぉ」
膝をつき落ち込む姿は石の彫刻にありそうなほど立派だった
「犯人がいたのかね!それはよかったではないか、進歩はしているからあまり落ち込むのではないよ蜥蜴澤くん」
ガバッと顔をあげ子供の様にキラキラした表情を見せさっきまでの落ち込みはどこへ行ったのかと思うほどよ豹変ぶり、これが真の情緒不安定である
「はい!すみませんでした!また捜査してきます!ほら!栗宮行くぞー」
自分のデクスへ座り、パソコンへ向かってキーボードをカタカタとテンポよく打っている
その表情は嬉しいのか苛立っているのか財前はわからなくなってしまった
「栗宮くん…なにをしているのだね?」
「できました!これが犯人…いや私が会った人です!」
バッと印刷して、でてきた紙には犯人と思われるモンタージュ写真が映っていた
「犯人ではなく女性…いや女の子に会ったのかね?」
「うわ!すげぇ、似てるこいつです!犯人」
「だから先輩!この彼女は犯人ではありません」
課長と蜥蜴澤は同時に2人で顔を見合わせる
栗宮がなにを言っているかわからないという顔で
続けて凛子は言う
「こちらは中堂ひまりさん、探偵だそうです。この事件の情報をなにかしら握っている可能性があります」
「…!」
「じゃあなにか聞き出せたのかね、今回の連続凍死殺人について」
「いや、すみませんなにも…あと情報として持っていた資料を盗まれました…」
「うぇあ!?まじかよ栗宮さん!?やってくれちゃってぇ!俺がせっかく気象庁まで行ったのに…」
深々と2人に頭を下げる栗宮に対して、蜥蜴澤はダメ出しをこぼした
自分は気絶してたのにどの口が言っているのか、後で脳内で5回刺すと凛子は心の中で決めた
「いや2人はよく頑張ったよお疲れ、また捜査して事件を紐解いてくれれば」
「それではダメなんです!」
凛子が声を荒らげた
予想していなかった2人はビクッとなり腰を抜かしている
「こうしている間に、また事件が起こっては遅いんです!犯人は刻刻と次の犯行の準備をしている筈です。私たちが呑気にしていては、新しい被害者が出てしまいます!だから…」
と目に涙を浮かべ膝を尽きた時だった
スーツの内ポケットから手紙がポトリと落ちた
宛先はHimari Nakadouと書いてある
直筆でありとても達筆だ
「栗宮…これって?」
蜥蜴澤先輩の発言を無視し、無造作に手紙をこじ開ける凛子
中には1枚の写真と便箋が入っていた
「 拝啓
秋も一段と深まり日だまりも恋しい季節となってきました 皆様いかがお過ごしでしょうか
なんつって、凛子ちゃんこんにちは中堂ひまりです
これを読んでいる頃にはさぞかし良い顔をしながら涙目でいるのでしょう。今回の取り引きとしては勝手にこちらでやってしまったのは詫びるよ、ごめんねー。さて本題といこうか、今回の事件は僕が先に解決する予定だからまた謝るね。その代わりに少しヒントをあげるよ、一緒に入っている写真に目を通して欲しいそれは手に入れるのに相当苦労した代物でね、少し写真写りが悪いのは勘弁してほしいね、よく見ると椅子の様な物が映っているだろう?これは僕が前に請け負った事件の犯人が持っていた物でね、どうして犯人がこのような写真を持っているのか気になってからさ、これは重要な情報だと僕は踏んでいるんだ(多分)、ではではまた会った時お茶でもしよう
君のパートナー ひまりより」
写真にはぼやけているが高級感のある、歴史ある古そうな椅子だけが映っている
手紙はそれだけで終わっており、ひまりよりの後には大きなハートマークが書いてあった
「ふむふむ、栗宮、君のパートナーというのはどういう事だ?」
「わしもそこが一番気になった、どんな関係なんだい?」
問い詰められ赤くなる凛子にグイグイ執拗に追い詰めるおっさん二人
話をそらそうと凛子は写真を手に取る
「こ、この写真!見てくださいぃ!な、なん、かすごいっすよねぇ…」
「これはなんだ?椅子っぽいけど」
エロジジイと止めたのは蜥蜴澤先輩だった
こういうメリハリのあるキャラは嫌いじゃないと思った
エロジジイが目を通すとピクっと少し反応した
「見たことがあるんですか?課長」
「んーどっかで昔、見たような見てないようなぁ この年だからボケてきて曖昧だからわからんわ」
とケラケラ笑っている
昔はとっても凄いエリート刑事だったと蜥蜴澤先輩から聞いたが一体いつ老いぼれてしまったのか
「しかし椅子って…こんなんじゃなにも手がかりにはなりませんよね…」
3人の唸り声が部屋中に鯨の鳴き声の様に深く轟いた
この事件がもう既に解決されているとはこの時誰も知らないのであった
時は少し遡り 午後12時13分
都内 遊園地ライトボックス駐車場2階
「やっとみぃーつけた…連続凍死殺人の犯人んん」
ひまりは女性を指差し叫んだ
声を聞いた女性は反対方向へ走り去る
その方向には女型の悪魔が道を塞いだ
「ひまり、捕まえればいいのだろう?」
悪魔が囁く、すると薔薇の中からつるが飛んで行きコンクリートに突き刺さり羽交い締めする
「ありがと、オリア。さて今回はどんな悪魔が出てくるのかな?」
女は苦しそうに暴れ狂うが鎖のようになっていてそれはできない
見た目は優しそうな容姿だが、彼女の放った言葉は期待を裏切るのだった
「お前かぁ!近々俺様を嗅ぎつけていたって奴は!離せよ!人間如き我ら悪魔の手に掛かれば塵に等しいぞ!」
「あらあら怒っちゃって」
ひまりは煽るように質問をする
「今回の連続凍死殺人の犯人は君だよね?」
「うるせぇ!なんなんだよお前!」
バックから取り出し、頭に帽子を被りかっこよく挨拶を決めた
「悪魔狩人なんて言えば君には伝わるかな?」
書くペース上げます(上げたい)
さて、ひまりとはなんなのか?何者なのか?
また次回〜( ・∇・)ノシ♪