第五話 ステータス
「どこだよ、本当に」
鬱蒼としたジャングルの中に俺は一人立っていた。今日の何度目かわからない言葉を口にする。ゆっくり回りを見渡す。
辺りは木々と苔、雑草や蔦。うねり曲がった木々。そこから太陽の木漏れ日が入ってくるが入ってくる。逆に地を這っている苔の類は地面を緑に染めている。
飛ばされた場所が最悪だ。
せめて、人工物のある場所……そうでなくても、人が住んでいる場所がよかった。
事前に異世界は、中世ほどの文明度に、「魔法」というファクターが追加された世界、と聞いている。ということは、未開地がまだまだ山ほどあるということで……
「もう詰んでない……?」
早くも、軽く絶望案件。
俺は、せめてもの期待を込めて、歩くことにした。
だが、それすらもままならない。
まず、場所が場所であるため、足に蔦や、その他諸々がひっかかってすぐ転ぶ。別に俺がどんくさい訳ではない……と信じているが、この量の草木は、いささか未開の地といっても異常なほどだ。歩きづらさに磨きがかかっている。
「まずは、寝る場所の確保かな?」
俺はもう一度辺りを見るが、全体的に暗い雰囲気なので、見づらい。
「てか、住む場所を創ればいいじゃんか。【家】を創りたい」
……無視された。
もしかして、使い物にならない……?
俺は若干動揺しながら、考える。
「よ、よし。じゃあ、物を探す【技能】とか欲しいなー」
洞窟などを見つけて、そこで過ごすのはどうだろうという考えだ。一から家を造るなんて論外だし、自然のものを利用した方がいい。
【該当技能:全百件越え……獲得可能な技能を抽出中……完了】
声が頭の中で反響した後、目の前にホログラム的な画面が現れた。
【探索】
※自分を中心とした一定の距離内の物がわかる。【地形把握】と併用可能
【捜索】
※自分を中心とした一定の距離内の対象の場所がわかる。
【鷹眼】
※視界を広げる
【魔眼】
※対象のステータスを知ることができる。物質の詳細ステータスを知る事が可能。魔眼系統の技能の獲得に必要な技能
ある程度、技能がピックアップされたようだ。この中から選べってことだろうな。
「でも、技能を創り出せるのは一日一個って言ってたしな……慎重に選ばなきゃ」
俺はそう思い、各技能の説明を読んでいた。
恐らく、現状に一番有用なのは【探索】だろう。ただ、【魔眼】は鑑定系の技能として有用だし、これからにも重要だ。逆に探し物をしているわけではないから、【捜索】はいらない。
「一番有用なのは【探索】なんだよな」
よし、決めた。今日は【探索】にしておこう。
【【探索】を創造しています……完了】
また声が反響した。創造できたらしい。
【漂流者】天野翔
【ランク】Ⅰ
【天職】
【特殊技能】
【創造権能】
【技能奪取】
【技能】
【幻視】
【探索】
【魔術】
【火属性魔術】
ステータスを見ても【探索】が追加されている。
「【探索】詳細」
【探索】Ⅰ
【分類】探索系
【希少度】通常
【説明】自分を中心とした一定の距離内の物がわかる。【地形把握】と併用可能。【探索】と唱えることで使用可能。
一応、開いてみたが、さっきと同じことしか書かれてなかった。
「まぁ、使ってみるか。【探索】!」
唱えてみる。すると、自分から大体五十メートルぐらいの距離内のものが感覚的にわかった。でも、大まかなものだ。木が生えているとか岩があるぐらいの精度だ。
「自分を中心とした、大体五十メートルくらいの範囲がわかるのか。結構便利だな」
俺は呟き、歩くことにした。
【漂流者】天野翔
【ランク】Ⅰ
【天職】
【特殊技能】
【創造権能】
【技能奪取】
【技能】
【幻視】
【探索】←New
【魔術】
【火属性魔術】