第四十八話 世界の過去
「神を騙るだと……」
俺は驚愕に喘ぐ。あれは絶対、女神と呼ばれる存在だ。
「そうです。この世界を管理している化け物です。元来、この世界に神などいるはずがないのです……【神帝】と名乗る存在が内包している全てのエネルギーを使って、世界全てを管理する【理】を造り上げたのです」
【神帝】……あの少年か。
「【理】は我々を含め、全存在に適用されました。その過程で【神帝】は自分に妹を創りました。その神の一柱が旧第八世界管理者である創造神なのです。ですが、ある日、異世界に来た少女が力を持ち始めました。第一世界から来た彼女は我々には理解できない知識を使い、瞬く間に最強の存在となりました」
「それで?」
俺は話を促す。
「そして、最強の存在となった彼女は【創造神】の力を奪い取りました……そうあなたの特殊技能のように」
はっ? 俺の特殊技能みたいにだと……それってつまり、【技能奪取】は彼女の能力だったのか?
徐々にはっきりしていくこの世界の真実に少々恐怖を覚えつつ、俺は話を聞く。
「そして、権限、権能を奪い取って【創造神】となった神は、聖王国では正当な神と広く信じられています。神の能力は信仰力によって多少ですが、上下します。彼女は今や、この世界において、無敵です」
悪魔は若干、悲しみが混じったような声で話す。
「しかし、陽の存在であり、神になったので、陰の存在である我々を根絶させることはできないどころか、我々を直接操作することができません。我々、【魔王】と呼ばれるレベルまでの能力を持つ、悪魔の軍勢を率いて、あの神を騙る化け物を倒したいのです。奴と同じ力を持つあなたにしかできないことなのです」
悪魔はそう締めくくった。
先ほどから質問しているが【叡智】がまるで反応しない。まるで壊れたパソコンのようだ。もしかしたら、フランから妨害を受けている?
俺は悪魔に直接質問する。
「それで俺には何のメリットもないじゃないか」
「そうです。我々、一同の永遠の忠誠でよいのなら、いくらでも捧げましょう」
「そこまでして、なぜ、フランを倒したいんだ?」
俺が訊ねると、悪魔は少し黙る。答えていいのか悩んでいるようにも見える。
「そこから先は私が話しましょう」
虚空から声が響く。
「【全遮断】」
虚空から少女が顕現する。金髪、蒼眼の低身長。容姿を見た限り、フランとよく似ている。容姿まで奪ったのだろうか?
「私が元、世界管理者であるフレリアーナ・アレスト・デウスです」
優雅な一礼をして、彼女は現れた。だが、決定的な問題があった。
そう彼女は……生まれたままの姿だったのだ。




